第3シードのアメリカがスロバキアに敗れる番狂わせ、単複2勝のクズモバが勝利の立役者に [ビリー ジーン・キング・カップ]
女子テニスの国別対抗戦「ビリー ジーン・キング・カップ(旧フェドカップ) by BNPパリバ ファイナルズ」(チェコ・プラハ/11月1~6日/室内ハードコート)の大会2日目は、各グループのラウンドロビン(総当たり戦)第2戦が行われた。
グループAはロシアがカナダを3勝0敗で、グループBは第2シードのオーストラリアがベルギーを2勝1敗で、グループCはスロバキアが第3シードのアメリカを2勝1敗で、グループDはスイスがドイツを3勝0敗で下し、それぞれ1勝目を挙げた。
スロバキアがスリル溢れるダブルスの試合に勝ち、アメリカに対する番狂わせを演じてみせた。1勝1敗で迎えたダブルスでヴィクトリア・クズモバ/テレサ・ミハリコバ(スロバキア)がキャロライン・ドラハイド/ココ・バンダウェイ(アメリカ)に6-2 6-7(5) [12-10]で競り勝ち、両国の同大会での初対戦をスロバキアが制した。
「成し遂げることができて本当にうれしいわ」と勝利の立役者となったクズモバは喜びを爆発させた。
世界ランク175位ながらハードヒッターのクズモバは第1試合で同42位と格上のシェルビー・ロジャーズ(アメリカ)に対して第2セットで勝負を分けるブレークに成功し、最後は自分のサービスゲームをキープして6-4 6-4で試合を締めくくった。彼女は前日のスペイン戦でも、シングルスでチーム唯一の勝ち星を挙げていた。
「素晴らしい気分よ。私はスロバキアのためにプレーすることが大好きなの。母国のために戦っていると、他の大会よりもずっと大きな強さを感じることができるわ」とクズモバはコメントした。
第2試合でアンナ カロリーナ・シュミドローバ(スロバキア)を6-3 6-2で下してダブルスに望みを繋いだダニエル・コリンズ(アメリカ)は、「私が負けたらチームの敗戦が決まるとわかっていたから、少し緊張して神経がすり減ったわ」と明かした。
スイスはシングルス2試合を制して勝利を確定させたあと、ダブルスにも勝って最終的に3勝0敗でドイツを退けた。第1試合でビクトリヤ・ゴルビッチ(スイス)がアンドレア・ペトコビッチ(ドイツ)を6-4 7-5で倒し、続くエース対決で東京オリンピック金メダリストのベリンダ・ベンチッチ(スイス)が1セットダウンから巻き返してアンジェリック・ケルバー(ドイツ)を5-7 6-2 6-2で退けた。
スイスの初陣を飾ったゴルビッチは「スイスのために最初の勝ち星を挙げることができて凄くうれしいし、とてもホッとしたわ。第2セットは非常に厳しかったから、そこで終わらせることができて本当によかった」と話し、勝利を決めたベンチッチは第4シードのチェコに対する最終戦に向けて「木曜日が楽しみよ。私たちは皆、木曜日を楽しみにしているわ」と意気込みを語った。
水曜日にはグループAとグループCの最終戦が行われ、準決勝に進出する2チームが決定する予定になっている。グループAのロシアが前回大会優勝国で第1シードのフランスと、グループCのアメリカはスペインと対戦する。
ビリー ジーン・キング・カップは新フォーマットの採用を決定して本来なら2020年から12ヵ国が一堂に会するファイナルズで優勝国を決めることになっていたが、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックによりキャンセルされていた。
ファイナルズでは12ヵ国が3チームによる4グループに別れて総当たり戦を行い、各グループの1位が決勝トーナメント(準決勝)に進出して優勝チームを決定する。試合はベスト・オブ・3セットマッチで行われ、シングルス2試合とダブルス1試合で争われる。(APライター◎カレル・ヤニチェク/構成◎テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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