アルカラスがコルダをストレートで下して優勝「僕の夢は世界1位になること」 [Next Gen ATPファイナルズ]
![](https://images.tennismagazine.jp/media/article/18469/images/main_adc52bcfb5d88ec72386fc9d9c023bf1.jpg?w=850)
男子21歳以下のトップ8対決「インテーザ・サンパオロNext Gen ATPファイナルズ」(ネクストジェンATPファイナルズ/イタリア・ミラノ/11月9~13日/賞金総額130万ドル/室内ハードコート)の大会最終日は決勝が行われ、第1シードのカルロス・アルカラス(スペイン)が第2シードのセバスチャン・コルダ(アメリカ)を4-3(5) 4-2 4-2で下して第4代チャンピオンに輝いた。
18歳のアルカラスは週を通してずっとやってきたように支配的な強さを発揮し、素晴らしいシーズンを締めくくった。
自分のリズムを見つけ出すのに少し時間を要したアルカラスは、最初のふたつのサービスゲームで幾つものブレークポイントを凌がなければならなかった。しかしひとたび波に乗ると彼は決して振り返らず、82分の戦いの末にコルダを退けた。
勝利のあと、アルカラスは直ぐに気持ちを非常に高い野望へと向けた。
「ステファノス・チチパス(ギリシャ)、ヤニク・シナー(イタリア)のような偉大な選手たちがこの大会で優勝している。でもこの大会に勝つということは、夢を実現するために必要となる規律を伴ったハードワークと組み合わせなければ何の意味がないんだ」とアルカラスは語った。
「僕の夢は世界1位になることだ。だから僕はそのためにハードワークを積んでいる。そしてこの大会で優勝するだけで満足することなく、本当に大事なのは世界1位になるという自分の夢に集中し続けることだ」
今シーズンに入って飛躍的に進歩したアルカラスは、その夢を迅速に達成することを目指している。2021年に先立ち彼はツアーレベルで1勝しか挙げていなかったが、今季の勝利数は「32」となった。
この勝利でアルカラスは、アンドレイ・メドべデフ(ウクライナ)が18歳で32勝11敗を記録した1992年以降のツアーでマッチ32勝を挙げた最年少プレーヤーとなった。
今シーズンのアルカラスはランキングを100段以上登ってキャリア最高の32位に到達し、USオープンでは準々決勝に進出した。
「彼は間違いなく、今のランキングよりもずっといいプレーをしている。彼はその位置に長くは留まらないだろうね」と世界ランク39位のコルダはコメントした。
「僕にとって信じられないような年だった。数日の休息を取り、それから仕事に戻るよ。さらに一歩前進して、来年はATPファイナルズに出場できるようにね」
コルダに勝ったあと、アルカラスは直ちに自分のコーチであり元トッププレーヤーのフアン カルロス・フェレロ(スペイン)のもとに駆け寄り抱き合って喜んだ。
試合後のオンコートインタビューでコーチについて尋ねられたとき、アルカラスは「彼(フェレロ)は僕にとってすべてだ。すべては彼のおかげなんだ」と答えた。
第3セットの第5ゲームでコルダはふたつのマッチポイントをセーブしたが、それは避けられない結果をただ遅らせたに過ぎなかった。アルカラスは3度目のマッチポイントでスマッシュを決め、試合を終わらせた。
「本当に素晴らしい。この大会で優勝できたということは、僕にとって大きな意味を持つ。僕はいま本当に興奮し、感動している。出だしは凄くナーバスになっていた。落着きを取り戻してブレークポイントをセーブしなければならなかった。コルダのサービスがいいことはわかっていたから、あの瞬間に最高のテニスをしなければならなかった」とアルカラスは振り返った。
ふたりはともに、決勝に至る過程でプレーした4試合のすべてに勝っていた。アルカラスは週を通して1セットしか落としておらず、それは彼がすでに準決勝進出を決めたあとのラウンドロビン(グループ内総当たり戦)第3戦でのことだった。彼らはまた、4回目を迎えたこの大会の決勝に進出した初のスペイン人とアメリカ人だった。
2017年に創設されたこの大会は、世界トップ8によるシーズン末のエリート大会「Nitto ATPファイナルズ」(イタリア・トリノ/11月14~21日/室内ハードコート)の若手版となる。ATPファイナルズも直ぐに始まるが、かつてここでプレーした2018年覇者のチチパスや2017年準優勝者のアンドレイ・ルブレフ(ロシア)が今やその舞台に立っている。2019年チャンピオンのシナーは惜しくも出場権を逃したが、補欠の1番手として控えている。
今大会は出場権を争うレースランキング(Race to Milan)の上位8人が2つのグループに分かれてラウンドロビンを行い、上位2名ずつが決勝トーナメントに進出する形式となっている。
試合は4ゲーム先取の5セットマッチやノーアドバンテージなど、大会独自のルールが採用されている。
昨年の大会は新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックにより、開催中止となっていた。(APライター◎ダニエラ・マタール/構成◎テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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