2時間47分の激闘を制したサカーリがグループ2位で準決勝へ、サバレンカはダブルフォールトで自滅 [WTAファイナルズ]
女子トップ8によるエリート大会「アクロンWTAファイナルズ・グアダラハラ」(WTAファイナルズ/メキシコ・ハリスコ州グアダラハラ/11月10~17日/賞金総額500万ドル/ハードコート)のチチェン イッツァ・グループのラウンドロビン(総当たり戦)第3戦で第4シードのマリア・サカーリ(ギリシャ)が3時間近い激闘の末に第1シードのアーニャ・サバレンカ(ベラルーシ)を7-6(1) 6-7(6) 6-3で倒し、決勝トーナメント進出を決めた。
2時間47分を要した今大会ここまでで最長試合で、サカーリはサバレンカの19本のダブルフォールトにも助けられた。
「お互いにアップダウンのあるジェットコースターのような試合だった。私はワンブレーク分リードしていたけど、それから彼女がワンブレークのリードを奪った。どちらがチャンスを掴むかにかかっていたわ。私はとにかく必死になってプレーしてよく戦い、最後には状況を好転させることができた」とサカーリは振り返った。
今シーズンを世界ランク21位で始めた26歳のサカーリは、ロラン・ギャロスとUSオープンで4強入りするなどの活躍でギリシャ人として初のWTAファイナルズ出場権を獲得した。
「私のシーズンはまだ終わってはいないけど、今日の勝利でこの大会の結果は上出来と言えるものになったわ。シーズンが始まって11ヵ月が経っているというのに、今も魂を込めてプレーできているというのは本当にうれしいことよ」とサカーリは語った。
ディフェンディング・チャンピオンで世界1位のアシュリー・バーティ(オーストラリア)がオーストラリア入国時の厳しい隔離措置などを考慮してタイトル防衛に挑まない決断を下したことで今大会の第1シードとなったサバレンカは、自らのサービスに苦しみながらも準決勝進出を目指して戦い続けた。
第1セットで3-5からブレークバックしたサカーリは次のゲームでセットポイントをセーブしてキープし、タイブレークでは3本のサービスエースを決めるなどして圧倒した。サバレンカは第2セットでサービング・フォー・ザ・セットを2度迎えながら決めきれず、一進一退のタイブレークで迎えた4本目のセットポイントをようやくものにしてセットオールに追いついた。
その勢いを維持して23歳のサバレンカは第3セットも3-1とリードしたがダブルフォールトで自滅し、そこからサカーリが5ゲームを連取して勝利をもぎ取った。
「自分のリズムを見つけることができなかった。試合全体を通し、私は自分のサービスの調子に苦しめられていた」とサバレンカは悔しさを滲ませた。
「ある瞬間に私はリズムに乗ったと思ったけど、別の瞬間には自分のサービスをどうすることもできなくなってしまった。厳しい試合だった。最後の数試合であれほどサービスが酷かったなんて、本当に異常だったわ」
先に行われたデイセッションの試合では第5シードのイガ・シフィオンテク(ポーランド)が第7シードのパウラ・バドーサ(スペイン)を7-5 6-4で下したが、チチェン イッツァ・グループの結果を覆すことはなかった。バドーサはこの日が24歳の誕生日だったが、勝利で飾ることはできなかった。
大会7日目のシングルスは準決勝が行われる予定となっており、デイセッションでバドーサが第5シードのガルビネ・ムグルッサ(スペイン)と、ナイトセッションではサカーリが第8シードのアネット・コンタベイト(エストニア)と対戦する。
8人の出場選手中最年少となる20歳のシフィオンテクはサカーリとサバレンカに対する最初の2試合に敗れていたが、この日は各セットでワンブレークダウンから挽回して大会初勝利を挙げた。
「やっと自分の本来のテニスが見せられてうれしいわ。今大会のコンディションなど様々な要素を乗り越えて、ようやく自分のプレーに集中できた感じよ」とシフィオンテクはコメントした。
「間違いなく特別な大会だったわ。3試合連続でこれほどレベルの高い選手と戦うのは大変なことよ。次回はもう少し運がよければいいな。テニスではすべての要素が上手く噛み合い、テニス自体もうまくいってようやく大会で優勝できるの」
ラウンドロビンで2試合が終わった時点で決勝トーナメント進出を決めていたバドーサの目は、同じスペイン人であるムグルッサに対する準決勝に向いていた。
「重要な試合だわ。私にとってはここにいられるだけですでに夢の実現だったのよ。だから準決勝で彼女と対戦することを私がどんなふうに感じているか想像がつくでしょう?」とバドーサは話した。
今年5月にベオグラードでツアー初優勝を飾ったバドーサは10月にインディアンウェルズでビッグタイトルを獲得し、今季トップ10デビューを遂げた6人の女子選手のひとりとなっていた。
WTAファイナルズはWTAツアー最終戦で、今季の成績上位8名(ダブルスは8組)のみで争われる。4人ずつのグループに分かれたラウンドロビン(総当たり戦)を行い、上位2名(ダブルスは2組)ずつが決勝トーナメントに進出する形式で行われる。大会は今年だけグアダラハラで行われ、2022年からは本来の中国・深圳に戻る予定になっている。
昨年の大会は新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックにより、開催中止となっていた。(APライター◎カルロス・ロドリゲス/構成◎テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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