元世界1位のモレスモーがフレンチ・オープン初の女性大会ディレクターに

写真は2014年フレンチ・オープンの記者会見でのアメリー・モレスモー(フランス)(Getty Images)


 グランドスラム大会で2度優勝した実績を持つアメリー・モレスモー(フランス)が木曜日にギー・フォルジェ(フランス)の後任としてフレンチ・オープンの大会ディレクターに任命され、女性として初めてそのポジションに就くことになった。フランステニス連盟(FFT)によると、モレスモーの契約は2024年までとなっている。

 年末に契約が満了することになっていたフォルジェは今週、FFT新会長のジル・モレトン(フランス)とのコミュニケーションの問題を理由に辞任していた。フォルジェは1990年代に世界ランク自己最高4位をマークした元テニス選手で、2016年からロラン・ギャロスで大会ディレクターを務めてきた。

 ヤニック・ノア(フランス)が1983年フレンチ・オープンで優勝したのを観て刺激を受けたことでテニスを始めた42歳のモレスモーは、2004年9月13日に男女を合わせて近代テニスで世界ランク1位に至った初のフランス人プレーヤーとなった。彼女はそのキャリアを通し、39週間に渡って世界1位として過ごした。

「この大会は子供の頃から私に夢を見させてくれ、私の中に使命を生み出しました」とモレスモーは木曜日の記者会見でコメントした。

 しかしモレスモーは2006年にオーストラリアン・オープンとウインブルドンを制しながらロラン・ギャロスのクレーコートでノアの偉業を真似ることはできず、2度の準々決勝進出が最高成績だった。パリでの彼女は、母国の観客を前にプレーするプレッシャーに耐えることができず苦労していた。

 その華麗な片手打ちバックハンドでテニス愛好家たちを喜ばせたモレスモーはフランス代表チームの一員として2003年フェドカップ(現ビリー ジーン・キング・カップ)優勝に貢献し、2005年にはWTAツアー選手権でタイトルを獲得した。彼女はまた、2004年アテネ五輪の女子シングルスで銀メダルを獲得した。

 プレーヤーとしてのキャリアを終えたあと、モレスモーは男子のトッププレーヤーのひとりであるアンディ・マレー(イギリス)のコーチを務めた。彼女はまたフェドカップとデビスカップのフランス代表チーム監督を歴任し、今年のロラン・ギャロスではテレビ解説者の仕事もした。

 モレスモーはUSオープンの大会運営責任者であるステイシー・アラスター氏に続き、グランドスラム大会のディレクターに任命された2人目の女性となった。

「私をロラン・ギャロスで初の女性大会ディレクターとなったことを非常に誇りに思いますが、性別以外の理由で自分が選ばれたことを示していく必要があると考えています」とモレスモーは語った。

「私はこの問題がもはや関係ないものとして扱われることを願っています。性別に関係なく、より平等主義的なものを目指して進んでいく必要があるのです。性別は関係ありません。重要なのは、スキルがあるかどうかなのです」

 フォルジェが在任中にロラン・ギャロスの会場はスタジアムの大幅な改修を施してフィリップ・シャトリエ・コートには開閉式の屋根が設置され、エキゾチックな植物で満たされた温室に囲まれたシモーヌ・マチュー・コートを新設した。フレンチ・オープンではまたフォルジェが主導し、今年からナイトセッションを導入した。(APライター◎サミュエル・ペトレキン/構成◎テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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