チチパスが手術後初のシングルスで奮闘もギリシャは予選ラウンド敗退が決定 [ATPカップ]

写真は肘の手術後初のシングルスをプレーしたステファノス・チチパス(ギリシャ)(Getty Images)


 2020年に創設された男子テニス国別対抗戦「ATPカップ」(オーストラリア・ニューサウスウェールズ州シドニー/1月1~9日/賞金総額1000万ドル/ハードコート)の大会3日目は、グループAとグループDのラウンドロビン(グループ内総当たり戦)第2戦が行われた。

 グループAはスペインがノルウェーを3勝0敗で、チリは勝負のかかったダブルスに勝って2勝1敗でセルビアから勝利をおさめた。グループDではポーランドがジョージアを3勝0敗で、アルゼンチンが同じスコアでギリシャを退けた。

 この結果でグループAは唯一2勝を挙げたスペインが優位に立っているが、第3戦でセルビアに負けてチリがノルウェーに勝つと2勝1敗で3チームが並ぶことになる。それでもここまで6試合にすべて勝っているスペインが断然有利で、チリが2勝目を挙げたとしてもスペインはセルビアから1勝を挙げた時点でグループ首位の座を決めることができる。

 グループDはよりシンプルに、ともに2勝を挙げているアルゼンチンとポーランドの直接対決の結果でグループ首位が決定する。その一方でギリシャとジョージアは2敗したため、予選ラウンド敗退が確定した。

 アルゼンチンとギリシャの対戦では肘の手術からの回復が十分ではないとしてポーランド戦のシングルスを回避したステファノス・チチパス(ギリシャ)がエース対決でディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)と対戦して7-6(5) 3-6 3-6で敗れたが、2時43分を要したフルセットを最後まで戦った。

 試合後の記者会見でチチパスは試合を通して痛みがあったと認めたが、「あのようなレベルでプレーできたのはいいことだ。期待はしていなかった。思ったよりうまくいったと言っていいんじゃないかな。2週間前には怖くて打てなかったボールを打つことができていたからね」と話した。

「また負けはしたが、僕は競り合いを楽しんだ。戦うことやスリル、雰囲気を味わえてよかったよ」

 チチパスはまたオーストラリアン・オープンに向けて気になる体調について「少し痛みはあるけど、それは当然だ。僕は今日1日で先月全体で打ったよりも多くのサービスを打ったんだからね。練習で50~60本打っていたけど、今日はそれを遥かに超えた。最後には疲れてきていたよ」と説明し、次の対戦もできるならプレーしたいとしながらも「気になるのは明日になって身体がどう感じるかだ」と懸念も口にした。

 ポーランド戦でダブルスをプレーした翌日には痛みを感じてサービスを打てなかったと明かしたチチパスは、「明日コートに出て痛みなくサービス練習ができればと願っているよ。肘を100%回復させることが、現時点で僕の最大のゴールだ」と言い添えた。

「ほぼ毎日よくなっていると感じているし、オーストラリアン・オープン開始までにはまだ時間がある。適切な予防措置を取って医師の指示に従えば、オーストラリアン・オープンで100%のパフォーマンスができるはずだ。僕の回復は僕の医師が治療してきた他の選手と比べてずっと良好ということで、医師も驚いていたんだよ」

 今大会のシングルスで2戦2勝のシュワルツマンは、「これは彼にとって手術後初の試合だということは知っていたよ。だから試合が長引けば僕に勝つチャンスがあるとわかっていたんだ」と容赦のないところを見せた。シュワルツマンはこの試合でパッシングショットを沈めてラリーでは1本でも多くのボール返そうとする姿勢でチチパスを疲れさせ、ミスを誘発させることに成功していた。(テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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