貫禄ある若手、シナーが淡々と準々決勝へ「とにかく成長あるのみ」 [オーストラリアン・オープン]

写真は2019年「Next Gen ATPファイナルズ」決勝カードをふたたび制して準々決勝進出を決めたヤニク・シナー(イタリア)(Getty Images)


 今年最初のグランドスラム大会「オーストラリアン・オープン」(オーストラリア・ビクトリア州メルボルン/本戦1月27~30日/ハードコート)の大会8日目はボトムハーフ(ドローの下半分)の男女シングルス4回戦などが行われ、男子では第2シードのダニール・メドベージェフ(ロシア)、第4シードのステファノス・チチパス(ギリシャ)、第9シードのフェリックス・オジェ アリアシム(カナダ)、第11シードのヤニク・シナー(イタリア)が8強入りを決めた。

 準々決勝では25歳のメドベージェフが21歳のオジェ アリアシムと、23歳のチチパスは20歳のシナーと対戦することになり、かなり平均年齢の低い顔合わせとなった。

 若手対決となったシナーと22歳のアレックス・デミノー(オーストラリア)の4回戦ではシナーが重要なポイントで強さを発揮して7-6(3) 6-3 6-4で勝ち、既にトップ10入りしている地力を示して見せた。シナーはその年齢にしては非常に成熟した実力、メンタルで知られている。

 ふたりは2019年「Next Gen ATPファイナルズ」の決勝で対決し、その際にもシナーが勝っていた。早いタイミングでとらえたボールをコーナーからコーナーへと打ち込み、スピードと正確さを兼ね備えた優れたプレースメントで相手を崩すのがシナーのスタイルだが、第1セットでのデミノーはアグッシブな姿勢で臨んで何度かブレークポイントを握ることに成功した。しかしデミノーはそのどれもものにできず、タイブレークではシナーが最後の6ポイントのうち5本を取ってセットを先取した。

「それで自信がついたよ。そこからより強く打ち、より相手を動かし始めたんだ」とのちに振り返ったシナーは、第2セットに入ると第2ゲームで早くもデミノーのサービスゲームをブレークした。彼は相手がネットに出た時間的余裕がない場面でも見事なパスで抜くを決めるショットの冴えを見せ、同時にミスを最小限に抑えて試合の主導権をその手に握った。

「言うまでもなく、甘く苦いエンディングだった。この夜に僕のオーストラリアン・オープンを終わらせたくはなかった。でもそれが今日起きたことだ」と敗戦後に第32シードのデミノーはコメントした。

 一方で勝ち上がった若手の中で最年少ながら並外れた落ち着きと成熟したメンタルを見せるシナーは、「僕はここ数ヵ月を通して大いに経験を積んだ。僕は自分が選手としても人間としても成長したと思う。20歳では、とにかく成長あるのみだ」と落ち着いた様子で話した。

「もちろん、ここで準々決勝に進出できて本当にうれしいよ」

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写真◎Getty Images

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