フェデラーとナダルがオーストラリアン・オープンは問題ないだろうと確信

 他の者たちは、必ずしもこの考え方に適応する準備ができてはいないか、この件に関するフェデラーのスタンス――フェデラーはこの状況について「心配ない」と要約した――に同意していないようだ。

 特に率直に考えを口にしているのは、20歳のデニス・シャポバロフ(カナダ)だった。彼は大会が発した大気の質に関するポリシーについて、理解できないと不満を打ち明けた。

「大会から、コンディションはプレー可能なものだというメールを受け取るとしよう。これが意味するところは、君たちは出て行って、命をや健康を危険にさららなくてはならないということだ」と第13シードのシャポバロフは危機感を訴えた。

「今現在、ここ数日にもプレーヤーへの影響が見て取れる。でも、人生においてもっとあとにどんな影響があるか、これから2週間の間ここで空気を吸い続けた場合にどんな影響があるかわからないんだ」

 彼はコンディションが安全でないと感じたなら、自分はプレーしないだろうと言った。

「言うまでもなく、これはグランドスラム大会であり、大きな機会だ。でも僕はまだ20歳なんだ。これから10年から15年はプレーできるときに、コートに出て行ってこのコンディションの中でプレーすることで自分の命や健康を危険にさらしたくはない」

 1年前のオーストラリアン・オープンにおいて初のグランドスラム準決勝に進出する過程でフェデラーを倒した21歳のステファノス・チチパス(ギリシャ)は、最初にメルボルンに到着したときにインドアコートでの練習後に呼吸が苦しくなったと明かした。

「今はもう大丈夫だけど、少し心配になったよ」と第6シードのチチパスは振り返った。「すごく咳が出ていたんだ」。

 グランドスラム大会で3度準決勝に進出した実績を持つグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)はナダルやフェデラーと同様、大会とツアーのオフィシャルは「我々の面倒をみてくれている」という見解を示した。

「彼らがわれわれ競技者の健康を危険にさらすとは決して思えない」とディミトロフは大会側への信頼を口にした。

 ウインブルドン優勝歴2回のペトラ・クビトバ(チェコ)と2019年USオープンで4強入りしたマッテオ・ベレッティーニ(イタリア)は喘息持ちであり、メルボルンでどんなふうになるか心配していたと語った。彼らは今のところ、問題なくやっている。

「皆にとって同じことよ。間違いなく、息をするのが難しいでしょうね」とクビトバはコメントした。「私は薬をもってきているわ」。

(APライター◎ハワード・フェンドリック、寄稿:ジョン・パイ/構成◎テニスマガジン)

※写真はロジャー・フェデラー(スイス)
MELBOURNE, AUSTRALIA - JANUARY 18: Roger Federer speaks to the media ahead of the 2020 Australian Open at Melbourne Park on January 18, 2020 in Melbourne, Australia. (Photo by Darrian Traynor/Getty Images)

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