ブシャールのオーストラリアン・オープンの夢は予選で終焉

今年最初のグランドスラム「オーストラリアン・オープン」(オーストラリア・メルボルン/本戦1月20日~2月2日/ハードコート)の予選4日目が終了した。

 それは今季初のグランドスラム大会が始まる数日前、メルボルン・パークのメインショーコートの影でのことだ。ユージェニー・ブシャール(カナダ)のオーストラリアン・オープン滞在は、予選の最終ラウンドで終わった。

 2014年ウインブルドン準優勝者で一度は世界ランク5位にまで登ったことのある25歳のブシャールは、今や211位にまで滑り落ちた。彼女は、観客で溢れるスタジアムコートから遠く離れたところでプレーすることに慣れなければいけなかった。しかしその金曜日にアリーナの周りに一貫して響いていたエコーは、そんな彼女にとっても新しい経験だったのだ。

 厚い煙霧の中での予選1位回戦でブシャールはヨウ・シャオディ(中国)に対する3時間近い戦いを生き延び、第21シードのマディソン・イングリス(オーストラリア)との2回戦を65分のうちに勝ち抜いた。しかし本戦行きの切符がかかった試合で、ブシャールは26歳のマルチナ・トレビザン(イタリア)に4-6 3-6で敗れた。この結果でトレビザンは、初のグランドスラム大会本戦を経験することになった。

「途轍もなく辛いわ」とブシャールは敗戦についてコメントした。「予選の最終ラウンド。もう少しだと感じていた…」。

 第1セット4-4から7ゲームを連続で落としたブシャールは、そこから巻き返して第2セット3-5と追い上げ、人数は少ないがサポートを惜しまない観客から熱い応援を受けた。しかしながらトレビザンは落ち着きを保ち、サービスエースで試合を決めた。

 変化する風と左利きのトレビザンの多様なスピンのため、非常にやりにくかったとブシャールは試合後に明かした。しかし、気を散らされるある奇妙なことがあったとブシャールは言い添えた。

 すべてのボールを打つ音、プレーヤーが立てるすべての音がワンテンポ遅れてもう一度聞こえた。第3ゲームのあと、ブシャールは主審のカルロス・ベルナルデス氏のもとに行き、その音について話しをした。

「それがスピーカーなのか、テレビなのか、何なのは分からないけど、半秒後に私たちの試合の音がもう一度聞こえると私は言ったの。あるポイントでは、ラリー中に私たちが打つときに唸る声が聞こえたわ」と彼女は説明した。「すごく奇妙だった」。

 そしてその木霊――アリーナの後ろの巨大スクリーンから発生したものだったが――は、マッチポイントまで続いたのである。

「こんなことは、これまで一度も経験したことなかったわ」とブシャールは言った。

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