ワクチン未接種のエルベールがジョコビッチの発言にコメント「大きな敬意を払う」

写真は2021年ロレックス・パリ・マスターズでのピエール ユーグ・エルベール(フランス)(Getty Images)


 ATPツアー公式戦の「オープン13プロバンス」(ATP250/フランス・マルセイユ/2月14~20日/賞金総額62万2610ユーロ/室内ハードコート)の男子シングルス1回戦で、ダブルス巧者として知られるピエール ユーグ・エルベール(フランス)が予選勝者のミカエル・ククシュキン(カザフスタン)に7-6(5) 7-5で競り勝った。

 ツアーでも数少ないワクチン未接種者であるエルベールは同日に世間を騒がせていたワクチンを接種しないと断言したノバク・ジョコビッチ(セルビア)の決断について聞かれ、「僕はニコラ・マウ(フランス)とダブルスのタイトルを狙えたかもしれなかったけど、オーストラリアン・オープンをスキップした。自由はテニスより何より上にくるんだ。ジョコビッチのインタビューの中に、同感できる多くのことを見た。彼がこのような立場を取ったことに大きな敬意を払う」と答えた。

「彼は“現状はこういう考えを持っている”と言った。時間が経てばそれは変わるかもしれない。でも彼は信念を持ち、スポーツ以外の理由で史上もっとも偉大な選手となれるかもしれない事実を横に押しやることができる人なんだ」

 あなたのキャリアにも大きなインパクトがあるのではと尋ねられ、「今の僕はプレーできないと言われれば『大したことじゃないさ。じゃあプレーしない』というようにして受け入れ、プレーできるときにはできる限り楽しもうとしている」とエルベールは答えた。

 1月初頭に新型コロナウイルス(COVID-19)に感染したエルベールは、フランスでは当面の間プレーすることができる。フランスではコロナで陽性になった者は抗体保持者と見なされるため、その時点から3~4ヵ月は大会に出場できるのだ。

「今日はプレーできて本当にうれしかったよ。コートに戻り、母国の観客の前でプレーできて幸せだ」と試合後に喜びを語ったエルベールは、オーストラリアン・オープンの間に「2022年に果たしてプレーできるのか?」と自問していたことをと告白した。

 エルベールはフランス国内で出られる大会に出続ける予定だが、ワクチン未接種のため「アメリカには行けない」とも話した。彼はコロナで陽性になったばかりなので感染による自然抗体保持者として出場許可を得られないかと思いATP(男子プロテニス協会)に問い合わせたが、米国オリンピック委員会(USOPC)と連絡を取っているATPは同様のケースで年末から数回否定的な返事を受け取っているのだという。

 許可される希望を少しは抱きながらも「3月にはスイスのチャレンジャー大会でプレーするかもしれない。そのあとはクレーコートの大会に出る」と今後の予定について明かしたエルベールは先が見えずその日その日を生きており、だからこそプレーできるときにはその機会を最大限利用するよう努力しているのだと語った。

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写真◎Getty Images

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