フェデラーの復帰は夏の終わりか初秋の見通し「カムバックを考え始められる段階にきた」
3月5日にスイスのスキーイベントに姿を現したロジャー・フェデラー(スイス)が地元テレビの取材に応え、復帰予定の最新情報を提供した。右膝に2度手術を受けて昨年短い復帰を果たしたあとの昨年8月に3度目の手術を余儀なくされたフェデラーは既に「復帰には何ヵ月もかかるだろう」と話し、2022年ウインブルドンでプレーできる可能性は低いだろうと漏らしていた。
今回のアップデートで、フェデラーは基本的にこの事実を裏付けた。彼はスイスのテレビ局『Schweizer Radio und Fernsehen (SRF) 』に対し、「間違いなく、もう少し時間がかかる。僕は夏の終わり、あるいは初秋での復帰を目指している」と語った。
つまり6月のウインブルドンは難しそうだが、8月末のUSオープンに出場できる可能性はあるということだ。
ゆっくりではあるがフィットネスレベルを取り戻し始めていると話したフェデラーは、「膝は大丈夫だ。ずっとよくなった。言うまでもなく、2ヵ月間は松葉杖をついていたから、一から始めなければならない。(3度目の手術という)決断は正しかった。昨年のウインブルドンのあとは膝の状態がよくなく、続けることはできなかった」と説明した。
「現時点での僕は、リハビリに関して3つのパートに取り組んでいる。最初は自分の脚で立てるようにすること。そのあとに歩き始め、すべてを一から築いていかなければならない。そして今はやっと、僕はカムバックを考え始められる段階にきた。数週間前のMRI(核磁気共鳴画像)検査の結果は非常によかった。おかげで前向きな気持ちになっているよ」
ほぼときを同じくして、ニック・キリオス(オーストラリア)はポッドキャストを通して『誰がもっとも多くグランドスラム大会のタイトルを獲るか=誰が史上もっとも偉大な選手となるか』について語った際に、今やこの競争はラファエル・ナダル(スペイン)とノバク・ジョコビッチ(セルビア)の間で争われるものであると明言し、「僕の意見では、フェデラーはこのレースでもう終わった」と歯に衣を着せなかった。
キリオスはフェデラーのコンディションと年齢に加え、ナダル&ジョコビッチとの対戦成績を理由に挙げた上で「彼はこのふたりに(ナダル&ジョコビッチ)との対戦成績もよくない。僕は実際、ロジャーが芝の上で他の強豪の何人かを倒せるとさえ思っていない」との意見を述べた。
フェデラーはナダルとの対戦成績で16勝24敗だが、ここ8対戦のうち7試合で勝っている。一方でジョコビッチに対しては23勝27敗だが、ここ7対戦のうち6試合で敗れていた。
今年のオーストラリアン・オープン前まで3人(フェデラー、ナダル、ジョコビッチ)はグランドスラム獲得タイトル数「20」で並んでいたが、メルボルン・パークで21勝目を挙げたナダルが頭一つ抜け出した。しかし体調的に問題のないジョコビッチはこの先にワクチン未接種の問題に道を阻まれることなく大会に出場できるのであれば、彼がさらにタイトルを獲る可能性は十分あるだろう。
「もしナダルが22勝目を挙げれば、彼が栄冠を手にするだろう」とキリオスは言い添えた。
写真◎Getty Images
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