ジョコビッチがシドニーでのATPカップでホームの雰囲気を満喫
今年新設された世界テニス国別対抗戦「ATPカップ」(オーストラリア・ブリスベン、パース、シドニー/1月3~12日/賞金総額1500万ドル/ハードコート)の大会8日目のデイセッションはシドニー会場で準々決勝「セルビア対カナダ」が行われ、第2試合でノバク・ジョコビッチ(セルビア)がデニス・シャポバロフ(カナダ)とのエース対決4-6 6-1 7-6(4)で制してセルビアを準決勝に導いた。セルビアは準決勝で、ロシアと対戦する。
ジョコビッチは今大会初めてセットを落としたが、2時間を要した3セットの戦いの末にタイブレークをしっかりコントロールしてシャポバロフを押さえ込むことに成功した。
これに先立ち、ドゥサン・ラヨビッチ(セルビア)がフェリックス・オジェ アリアシム(カナダ)を6-4 6-2で倒していたため、ジョコビッチの勝利がダブルスを前にしてセルビアの勝利と準決勝進出を決定づけた。セルビアはダブルスにも勝ち、結局3勝0敗で完勝した。
国旗を振り回すセルビアファンからの絶え間ない声援、ときにトランペットさえ吹く熱い応援は、間違いなく助けになったとジョコビッチは言った。グランドスラムを16度制したジョコビッチはコートサイドでコーチやチームメイトに囲まれ、スタジアム中に逆巻く「ノール、ノール、ノール」の大合唱にも包まれてチーム戦の雰囲気を大いに楽しんだ。
「ブリスベンでも大きな声援を受けたけど、ここの応援はそれをさらに上のレベルに引き上げた感じだ。すべてのセルビア人が、今日はやってきてくれた」とジョコビッチは感謝の意を述べた。
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シャポバロフはそのいくつかに煩わされ、ある観客からの嘲りに反応したために審判から警告を食らった。
「彼らはときに少し入れ込み過ぎることがあり、デニスは当然ながらときどき騒音などに煩わされていた。でも雰囲気はまるでデビスカップのときのようだったよ」とジョコビッチは説明した。「ATPカップが、選手がツアーの大会の90%で経験できないものを経験するチャンスをもたらしてくれているんだ」。
第3セットの終盤、シャポバロフにとってややうれしくない中断があった。観客のひとりの気分が悪くなり、医療補助員の介入が必要となったのだ。自分のサービスゲームで0-30と劣勢に立たされていたジョコビッチは水のボトルをとって、それを具合が悪くなった人まで回すよう観客に頼んだ。
彼はその休止後に30-30と追いついたが、シャポバロフは結局ブレークに成功してスコアは5-5になった。シャポバロフは次のゲームでブレークポイントをセーブしたが、タイブレークに入ってからはジョコビッチが最初の5ポイントを取って試合の舵をその手に握った。
「非常に競った戦いだった。どちらに転んでもおかしくない試合だったよ。シャポバロフは素晴らしいテニスをプレーしていた」とジョコビッチは振り返った。「でも僕は、ホームでプレーしているように感じていた。ちょっぴりではなく、完全にね」。
ジョコビッチはまた、「スタジアムの大部分が各ポイント後に応援してくれた暁には、もちろんコート上のフィーリングという意味で大きな違いを生むよ。力が湧いてくる。モチベーションを見つけるんだ」と言い添えた。「だからこそ僕はこういった瞬間を愛し、彼らを僕が行くところのどこにでもつれていこうと努めているんだよ」。
タイブレークでダブルフォールトを犯して0-4となった際に、シャポバロフはその騒音について文句を言い、審判は観客にサービスのモーションの間は静粛を保つよう要請した。
彼は試合中は苛立っていたものの、試合後はジョコビッチや他のプレーヤーについて話すほうが心地よいと言って騒音についての不平は口にしなかった。
「僕の現在の自信、テニスをもってすれば誰とでも張り合えると心から感じるし、誰に対しても勝つことは可能だと感じている」とシャポバロフは手応えを口にした。「今日もまた、僕にはとってはもうひとつの前進の一歩だった。僕は彼らのようなトップ選手と張り合える位置にいるということを見せたんだ。正直、僕はあと数ポイントでこの試合に勝てるところにいた。だから、ああ、僕は今、本当にいいポジションにいると思うよ」。
(APライター◎ジョン・パイ/構成◎テニスマガジン)
※写真はノバク・ジョコビッチ(セルビア)
SYDNEY, AUSTRALIA - JANUARY 10: Novak Djokovic of Serbia celebrates after winning his quarter final singles match against Denis Shapovalov of Canada during day eight of the 2020 ATP Cup at Ken Rosewall Arena on January 10, 2020 in Sydney, Australia. (Photo by Mark Metcalfe/Getty Images)
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