「テニス以外のことに飽きたから戻ってきた!」シュツットガルトで約6ヵ月ぶりにツアー復帰のアンドレスク
昨年10月のインディアンウェルズで3回戦敗退以降、精神的に休養が必要との理由でツアーから離れていたビアンカ・アンドレスク(カナダ)がWTAツアー公式戦の「ポルシェ・テニス・グランプリ」(WTA500/ドイツ・バーデン ヴュルテンベルク州シュツットガルト/4月18~24日/賞金総額75万7900ドル/室内クレーコート)で復帰し、1回戦でワイルドカード(主催者推薦枠)を得て参戦したユーレ・ニーマイヤー(ドイツ)を7-6(5) 6-3で退けたが、2回戦で第3シードのアーニャ・サバレンカ(ベラルーシ)に1-6 6-3 2-6で敗退した。欠場期間にどのように過ごしていたのかをインタビューで明かした。
この半年間、テニスから離れてどんなことをしていたの?
「今の状態はOKよ。最初の数ヵ月は大変だった。何もすることがなく、自分の人生をどうしていいかわからなかった。それまではいつでもテニスが頭のどこかにあったから。でも周りの人たちが“こんなことをしてみたら?”といろいろ勧めてくれて、おかげでテニス以外のことにもチャレンジできた。マーシャルアーツ、ダンスのレッスン、少し旅行もした。何よりも、家族や友人と過ごす時間をたくさん持つことができた。ツアーに出ていると、なかなか時間が取れないから。いろんなことを少しずつしたんだけど、それに飽きてきて、今テニスに戻ってきたところなの!」
その間にコロナの影響でいろいろ変わったけど、自分の生き方にはどんな影響があった?
「間違いなく変わったと思う。パンデミックが起きた最初の頃は何をしていいかわからなかった。私はカナダに滞在していて、すべてが閉じていたから。2020年はひとつもツアー大会に出なかった。インディアンウェルズの直前でケガから復帰しようというタイミングだった。そこで全世界がシャットダウンしてしまった。このとき、少しゆっくりすると同時に、自分のキャリアをよりよいものにしたいと思った。休む時間は大きな助けになった。ちょうどいいバランスを探していたところだったの。誰もが自分独自のバランスがあると思うけど、自分にとってちょうどいいものを見つけられた」
Bibi‘s Got Gameという絵本を出版したね! きっかけは?
「いい質問ね。もちろん、何の知識もないからゴーストライターに書いてもらった。数年前、自分自身の本を書きたいという夢があったの。母と話したら、“書きなよ!”と背中を押してくれた。でも、当時は書くネタがなかったから、もう少しあとになってからにしようという話になった。当時はとにかく自分のキャリアを追い求めていたから。それから3、4年後にUSオープンで優勝できた。そのあとは本当にたくさんのことが起きた。そこで子供用の本から手をつけてみたの。自分のストーリーを少しだけ皆と分かち合いたかったから。世界中の人に読んでもらいたいと思う。ストーリーの中にも、皆に是非伝えたいと思うメッセージも込められている。子供たちだけでなく、子供に読んであげる大人にも読んでもらって、そこから何かを感じてもらえたらうれしい」
テニスを引退したら、ライターさんになる?
「先のことはわからないけど、何だって可能だと思うわ」
約6ヵ月ぶりのツアー復帰。ラファエル・ナダル(スペイン)が6ヵ月ぶりの復帰となる今年のオーストラリアン・オープンで優勝したのは大きな刺激になる?
「もちろん。多くの選手がケガで長期離脱してからカムバックしてきた。そこで勝っても負けても、私には大きな刺激になる。簡単なことではないとわかっているから。私はメンタル面で休養が必要だったけど、他の選手はケガが原因だった。私も過去に同じ経験をしているから、どういう部分が大変なのかわかっている。自分にあまりプレッシャーをかけたくない。ナダルのオーストラリアン・オープンでの復活は素晴らしかった。でも、私は一歩ずつ前に進んでいきたい」
写真◎Getty Images
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