アンドレスクが精神的休息のためオーストラリアン・オープンを含む2022年1月の大会不参加を発表
2019年USオープン優勝者のビアンカ・アンドレスク(カナダ)が精神的休息のため少しの間テニスから離れ、オーストラリアン・オープンを含む来季の出だしには大会に出ない意向であることを明かした。彼女は新型コロナウイルス(COVID-19)にも感染するなど厳しい2年を過ごしたあと、「リセットして回復し、成長したい」と考えている。
21歳のアンドレスクは火曜日に更新したツイッターを通して「検疫のための数週間の隔離によって精神的および肉体的に影響を受けた」と明かし、彼女の祖母がコロナで病院の集中治療室に数週間も入ったことに「大きな打撃を受けた」と告白した。
「特にトレーニングや試合をしている間に自分が自分でないように感じられる日が多くありました。私は自分が世界を背負っているかのように感じていました。私はコート外で起きているすべてから自分を切り離すことができないでいました。周囲の悲しみや混乱を感じ、そのことが私にダメージを与えたのです」
アンドレスクは精神的に立ち直るため、大会から離れる時間を取る必要があると言った他のプロアスリートたちに加わった。その中には例えば、グランドスラム大会を4度制した元ナンバーワンの大坂なおみ(日清食品)もいる。大坂は5月にフレンチ・オープンの2回戦を前に棄権したあとに休息を取り、9月のUSオープン3回戦で敗れたあとにも戦線から離れてシーズンの残りを休みに充てることを決めていた。
2年前のUSオープン決勝で憧れのセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)に対して番狂わせを演じて優勝を遂げたとき、アンドレスクはまだ19歳だった。彼女はそのすぐあと、世界ランク自己最高の4位に浮上した。しかし同年10月に左膝の半月板を損傷したアンドレスクは、約15ヵ月間ツアーから離れることになった。
今年のオーストラリアン・オープンで復帰したとき、セレナは「彼女には明るい未来がある。彼女は本当に若く、信じられないほど成熟している。私はいつも、彼女の光は明るく輝くと思うと言ってきた。彼女は本当に素晴らしいテニスをするから、今後もさらにグランドスラム大会でタイトルを重ねていくことができるはずよ」と話していた。
復帰戦だったメルボルン・パークでのアンドレスクはフルセットで初戦を突破したが、2回戦はストレートセットで敗れた。彼女はそのあとフレンチ・オープンとウインブルドンで1回戦負けを喫してUSオープンでは4回戦で敗れ、今季のグランドスラム大会での戦績は4勝4敗だった。それも含めて彼女は今季を17勝12敗タイトルなしで終え、7位だったランキングは46位まで落ちてしまった。
クレーコートシーズンに備えていたアンドレスクはウイルス検査で陽性と判定されて出遅れ、6月には4年に渡って指導を受けたコーチのシルバン・ブルノー氏と袂を分かつことになったと発表した。彼女は月曜日、復帰の時期がいつになるのかについて明言しなかった。
「私はリセットして回復し、この経験から学んで成長するための時間を自分自身に与えたいと思っています。チャリティ活動をして恩返しをし、自分自身を磨くことでインスピレーションを与え続けたいと思っています。そうすることで、私はこれまで以上に強くなって戻っていけると知っているからです。そのため来年はオーストラリアでシーズンを始めませんが、よく考えたり練習をするために少し余計に時間を取って来たる2022年テニスシーズンに向けて準備をしたいと思います」とアンドレスクはコメントした。(APライター◎ハワード・フェンドリック/構成◎テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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