復活のハレプがバドーサを倒して3回戦へ、次は同門のガウフ [マドリッド・オープン]

写真はイメージ(Getty Images)


 WTAツアー公式戦の「ムトゥア・マドリッド・オープン」(WTA1000/スペイン・マドリッド/4月28日~5月7日/賞金総額657万5560ドル/クレーコート)の女子シングルス2回戦で、シモナ・ハレプ(ルーマニア)が第2シードのパウラ・バドーサ(スペイン)を6-3 6-1で下してベスト16進出を決めた。

 勝利の瞬間に輝くような笑みを浮かべたハレプは、「素晴らしい気分だわ。自分がいいテニスをしていると感じたし、そのことが本当にうれしいの」と喜びを隠さなかった。

「彼女は今、非常に強い。世界2位の選手であり、自信に満ちている。彼女は素晴らしいプレーをしていたけど、私にも勝つチャンスがあると信じていたから持てるものをすべて出したわ」

 元世界ランク1位のハレプは昨年、ケガで長く戦列を離れて苦しい日々を送っていた。マドリッドで2016年と17年に2連覇した実績を持つ彼女は大会前の記者会見で、2021年には引退を考えたこともあったと明かしていた。

「30歳になったら、もう終わりではないかと思っていた。昨年にケガをしたあとにも引退を考えたわ。今年の初めに少しよくなったけど、相変わらず自信がなくて、これが私がプレーできる最後の期間かもしれないと思っていたの」とハレプは打ち明けていた。

 昨年のローマでふくらはぎを負傷したハレプはフレンチ・オープン、ウインブルドン、東京オリンピックの出場を諦めざるを得なくなり、11月には膝のケガでふたたび離脱を余儀なくされ、復帰してからもランキングと調子を落としていた。

 しかしハレプは南フランスのムラトグルー・アカデミーで練習することにより、ふたたび『内なる炎』を取り戻したのだという。その経験を通して彼女はセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)のコーチだったパトリック・ムラトグルー氏に協力を仰ぎ、最終的にムラトグルー氏が活動休止中だったセレナの許可を得てハレプのコーチを務めることになった。

「私はこのアカデミーを発見して何かを見つけ、テニスへの情熱が私の中に戻ってきた。トップ選手を目指して全力を尽くしている子供たちの様子を見て、炎が戻ってきたの。私には他の人たち、子供たちの情熱を目の当たりにすることが必要だったのね」とハレプは説明した。

「4ヵ月もプレーできなかったから、元のレベルに戻れないのではないかと思っていた。4ヵ月もコートに立たなかったことなんてなかったし、30歳は引退するのにいい歳だと思っていたから、それが頭の片隅にあったのかもしれないわね。子供は欲しいけど、今はまだあきらめたくないし喜びを感じているから、子供にはもう少し待ってもらうわ」

 ムラトグルー氏に指導を受けてアグレッシブなプレーを向上させようとしているハレプは、バドーサに対する試合でもその成果を垣間見せた。

「コーチとして自分のボックスにパトリックがいてくれるというのは、喜びでもあり名誉なことだわ。私たちはいくつかのことに全力で取り組んでおり、自分が毎試合いいプレーができていると感じている。私はとにかく調子を上げていき、強くなっていくことに集中しているの」とハレプは試合後にコメントし、新しいコーチとの出会いが自分にとっていかに大きな転機となったかを伺わせた。

 ハレプは3回戦で、ユリア・プティンセバ(カザフスタン)を6-1 2-6 6-4で破って勝ち上がった第14シードのコリ・ガウフ(アメリカ)と対戦する。ガウフもまた奨学生として1年の一部をムラトグルー・アカデミーで過ごし、練習を積んできた選手だ。ふたりは過去2度顔を合わせており、いずれもハレプがストレートセットで勝っている。

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写真◎Getty Images

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