“暴走列車”セレナがパリで初戦に勝利 [フレンチ・オープン]
今年最後のグランドスラム「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦9月27日~10月11日/クレーコート)の女子シングルス1回戦で、第6シードのセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)はタイブレークにもつれ込んだ第1セットの72分にわたる苦闘から1ゲームも落とさなかった一方的な第2セットへと移行した。
世界ランク102位のクリスティ・アン(アメリカ)を7-6(2) 6-0で倒したセレナはこの勝利について、「もっと自信を持ってプレーする必要があるわ」とセレナは説明した。「私はセレナよ、というふうにね」。
確かに試合後半の彼女は、より通常のセレナらしかった。最後には、あまり競い合いにさえなっていなかったのだ。
そして最高であるバージョンのセレナからネット越しに受けた感覚を、アンはこう表現した。
「暴走してくる列車を逆方向に押し返そうとしているように感じられるの。止めようとするのは難しい。彼女がフィーリングを掴んで突き進んでいるとき、それを止めるのは本当に難しいの」
アンのドロー運の悪さを考えてみてほしい。USオープンでも初戦でセレナに敗れていたアンは、グランドスラム2大会連続でセレナと1回戦で鉢合わせした初のプレーヤーとなった。
「(ドローを見たとき)笑ったわよ」とアンは明かした。「こんなことが起こるのって、どれほどの確率かしら?」。
セレナは次のラウンドで、今月初頭にUSオープンの準々決勝で苦戦を強いられたツベタナ・ピロンコバ(ブルガリア)とまたもリマッチを行うことになる。今大会にワイルドカード(主催者推薦枠)で出場したピロンコバはこの日、アンドレア・ペトコビッチ(ドイツ)を6-3 6-3で破って勝ち上がった。
「彼女と対戦するときにはいつだってワクワクするわ」とピロンコバはコメントした。
グランドスラムのシングルスでオープン化以降のトップとなる23回の優勝を誇るセレナは、そのうちの3つをパリで勝ち獲っている。これにあと1勝を加えれば、彼女は全時代を通しての最多記録であるマーガレット・コート(オーストラリア)の「24」に並ぶことになる。
近くまで迫り続けながら、セレナはあと一歩のところで何度もそのチャンスを逃してきた。彼女は直近のグランドスラム8大会のうち4度決勝に進出しながら、そのすべてで敗れていたのだ。先のUSオープンでは左のアキレス腱を伸ばしたあとにややスピードを落とし、準決勝でビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)に敗れていた。
月曜日にコートに現れたセレナは、左脚の下部に黒いテーピングを施していた。試合後に回復のため何をやったかと尋ねらると、「大いに祈ったわ」とセレナは答えた。(APライター◎ハワード・フェンドリック&ジェローム・パグマイア/構成◎テニスマガジン)
※写真はセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)
PARIS, FRANCE - SEPTEMBER 28: Serena Williams of The United States of America plays a backhand during her Women's Singles first round match against Kristie Ahn of The United States of America on day two of the 2020 French Open at Roland Garros on September 28, 2020 in Paris, France. (Photo by Julian Finney/Getty Images)
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