「7歳の息子が純粋にテニスを好きな気持ちを思い出させてくれた」イタリア国際優勝のジョコビッチ

シャンパンでイタリア国際優勝を祝うノバク・ジョコビッチ(セルビア)(Getty Images)


 ATPツアー公式戦の「BNLイタリア国際」(ATP1000/イタリア・ローマ/5月8~15日/賞金総額600万8725ユーロ/クレーコート)の男子シングルス決勝で、第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)が第4シードのステファノス・チチパス(ギリシャ)を6-0 7-6(5)で破って優勝した。

「今は安堵の気持ちが大きい。今年初めに起きたすべてのことを考えると、ビッグタイトルを獲得することが重要だった。特に自分が照準を合わせているグランドスラム大会の直前に優勝できたのはポジティブだ。プレーのレベルよりも自信の面で、タイトルを獲ることが必要だった。ローマではこれまで何度も少し調子を落としたり、結果が出ないときにやってくることが多かった。でもここで応援され、ファンから大きなエネルギーをもらっていつも復活してきた。今大会はこれ以上の優勝は望めない。大会を通して1セットも落とさなかった。クレーコートでのトレーニングを始めたときから、自分のやるべきことを信じてきた。モンテカルロまで大会がなく、あまりコート上でいい感触ではなかった。クレーコートで自分の最高レベルを引き出すには3~4週間はかかる。そしてここローマでいつもピークに達する。優勝6回だけでなく、準優勝もベスト4も何度もある。今回、ここローマで求めていたことはすべてに手にした。ロラン・ギャロスに向けて完璧な準備になった」

モンテカルロでの敗戦からどれくらい自分のレベルを上げられた?

「マドリッドでも状態はかなりよかった。負けた試合もかなり競っていた。本当に1ポイントの差で敗れた。そこでのレベルに満足していた。ローマでも同じプロセスを踏んでいればタイトルは手にできると思っていた。ローマに来て練習でショットの感覚がかなりよかった。ロラン・ギャロスに向けてこれ以上のものは求められないよ。セルビア・オープンではフィジカル面でしっかり上げることができ、マドリッドでは大事なところでの勝負強さは足りなかったけど、ここローマですべてが噛み合い始めた。パリには自信を持って大きなチャンスがあると信じて乗り込めるだろう」

ロラン・ギャロスで優勝するチャンスは?

「ランキング、ここ最近のプレーを考慮すると、優勝候補の一人には挙げられると思う。でも僕は誰が優勝できるのかなどと、あれこれ考えることはしない。自分のことに集中して、誰よりも大きな野望を持って挑む。特に今大会のプレーが大きな自信になっている。ドローにも当然左右されるだろうが、大会の深いところまで勝ち上がれるはずだ。5セットマッチ、1日置きの試合、グランドスラム、すべてが他のツアーとは異なる。普段と違うアプローチの仕方が必要になる」

5セットマッチのグランドスラム大会を戦うのにフィジカル面はどんな状態なのか?

「マドリッドからずっとフィジカル状態はいい。準備は整っている。セルビアやモンテカルロで感じていたフィジカルの問題はもう過去のもの。セルビアとマドリッドの間に多くのフィジカルトレーニングを行った。それがいい方向に繋がった。今は完璧な状態だ」

メルボルンでのことを乗り越えて強くなった?

「僕はいつも逆境を自分の成長の糧にしようとしている。次のチャレンジのためのエネルギーに変えて、次の一歩を踏み出してきた。これらのことはポジティブに捉えないといけない。いい人生経験だと考え、乗り越えて強くなれればいい。過去に何度も苦しい状況は経験したが、あれほどのプレッシャーは初めてだった。でももう過去のこと。コート上でフィジカル面もメンタル面も完璧に準備できている。フレッシュでキレもある」

いいテニス選手になるには、いい選手の親になることだと言われている。

「ああ、親としてもいいスタートを切れたよ。息子が小さな大会で優勝したんだ。さっき連絡をもらったんだ。“サンシャインダブル”だよ! 凄く小さな大会で結果は重要ではないんだ。彼とこの数日いろいろ話したんだ。どう準備すべきか、試合前のルーティンをどうしているかとね。それでどんどんのめり込んでいるようだ。彼の反応を見るのが楽しみなんだ。初めての大会は永遠に記憶に残る。だから、とにかくプレーを楽しんでもらいたかった。直近で話したとき、彼はテニスクラブで家族みんなに囲まれていて、凄くいい雰囲気だった。でもテニスを強要したりはしない。一度もしたことがない。彼が純粋にやりたいことをやっている。もしテニス選手としての旅に出るなら、僕も一緒に出なきゃいけない。もちろん彼がテニスをプレーしてくれるなら最高にうれしい。でもまだ7歳で幼いんだ。今はプレッシャーを感じる必要がない。当然テニスをすれば注目を集めることになる。今のところ頑張っているよ。テニスが本当に好きなようだ。昨夜話したときは、フォアハンド、バックハンドをラケット無しのシャドーテニスのように見せてくれた。とても面白かったよ。僕も子供の頃同じことをしていたからね。テニスが好きだという純粋な気持ちに溢れていた。子供があるスポーツを選ぶとき、99%はそれが大好きだからだ。その純粋な気持ちは見習うべきところがあって、僕自身のエネルギーにもなっている。自分の周りは今すべてが真剣だから、その純粋な気持ちを忘れてしまいがちなんだ。プロで仕事にしているのだから、きちんとしなければいけない。そんな中で純粋にテニスが好きという気持ちを思い出させてくれた」

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写真◎Getty Images

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