今年2つ目のグランドスラム大会「フレンチ・オープン」（フランス・パリ／本戦5月22日～6月5日／クレーコート）の男子シングルス準々決勝で、第20シードのマリン・チリッチ（クロアチア）が第7シードのアンドレイ・ルブレフ（ロシア）に5-7 6-3 6-4 3-6 7-6(10-2)で競り勝った。

「最高の気分だ。同時に疲れてもいる。メンタル面、フィジカル面でかなり難しい試合だった。どちらも質の高いプレーだった。アンドレイのレベルも高かった。彼はビッグサーバーでストロークも強烈なタイプで、ツアーの中でも安定して好成績を残している。自分も高いレベルが要求された。幸運にもサービスの調子が最高だった。最後までどちらが勝つかわからない展開だった。第5セット5-5で彼にもブレークポイントがあったがサービスエースで乗り切った。僕にもマッチポイントがあった。本当に長いポイントだった。凄く感情の起伏がある素晴らしい試合だった」

準決勝ではキャスパー・ルード（ノルウェー）と対戦する。

「キャスパーとは過去に2度対戦した。2年前ローマで戦ったと思う。クレーコートではツアー最強の選手の一人だ。彼はクレーコートで多くのタイトルを手にしている。クレーコートを楽しんでいるし、素晴らしいプレーをしている。とても難しい試合になるだろう。しかし、自分のことに集中したい。彼のようなトップ選手を戦うにはビッグゲーム、ビッグサーブが必要になる」

今大会の活躍は2014年のUSオープンを思い出させる。グランドスラム大会で2つ目のタイトルを獲得するには、これが最初で最後の大会だと思う？

「難しい。試合中は完全に試合に集中している。すべてのポイントで全力を尽くす。それが今日の試合だった。負けるかもしれないと思うほど、競った試合だった。5-5でのゲームが勝負を分けた。そこで踏ん張り、タイブレークで素晴らしいプレーができた。あまり先のことは考えていない。1試合ずつだ。今日はアンドレイが素晴らしい試合をした。もしちょっとでも調子を落としていたら、僕が家に帰るところだった。自分のことに集中することが大事だ」

君はロジャー・フェデラー（スイス）、ラファエル・ナダル（スペイン）、ノバク・ジョコビッチ（セルビア）と同じ時代を生きている。この3人は4つのグランドスラム大会すべてで優勝している。この時代に自分の存在、今大会の活躍についてどう思っている？

「素晴らしい成果だ。4度のグランドスラム準決勝を戦った経験がある。2017年以降クレーコートでいい成績を残している。でも、クレーコートのシーズンは短いから、そこに合わせるのが難しい。このサーフェスで自分のプレーをしっかり出すことを楽しんでいる。それがうまくいっているし、この勝ち上がりを楽しんでいる。この数年間、自分がいい形でプレーできていれば、いいことは起きるものだ。今大会は凄く誇りに思うし、とても満足している」

3つの異なるグランドスラム大会で決勝に進出、4度準決勝進出。デビスカップで優勝経験もあり、最高ランキングは世界3位。これだけの実績があるのに、過小評価されているとは思わない？

「記者会見が少ないほうがうれしいよ。メディア対応が少ないほうがいい。この2年間、すべての大会で会見がないのはよかった。いや、冗談だよ。脚光を浴びてきた選手たちは、何年もテニス界のトップに君臨してきた。僕のキャリアを振り返ると、大きな成功、多くのものを勝ち獲ってきた。でもトップの選手と比べると、彼らほど継続できていない。3～4シーズンは継続してよかったが、注目されることもあれば、そうでないこともあった。自分が注目されようがされまいが気にしていない。自分のキャリアの中で毎日、できるだけ試合に勝つチャンスを生かしたいとは思っている。引退したときに、その点には満足できると思う。記者会見が増えても、何も問題ないよ！」 

これまでのキャリアでベストマッチは？

「すべての要素を考えると、USオープン準決勝のロジャーとの準決勝だ。僕らの試合前に、ノバクが錦織圭（フリー）に負けたんだ。ロジャーは当時、2年くらいグランドスラムを獲れていなかったから、スタジアム全体がロジャーの優勝を期待して熱烈に応援していた。あの雰囲気の中で、あれだけのレベルのプレーができたのは最高だった」