18歳ガウフがグランドスラム初優勝にあと1勝「何があろうと私は幸せ」 [フレンチ・オープン]

写真は初のグランドスラム決勝進出を決めた18歳のコリ・ガウフ(アメリカ)(Getty Images)


 今年2つ目のグランドスラム大会「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦5月22日~6月5日/クレーコート)の女子シングルス準決勝で、第18シードのコリ・ガウフ(アメリカ)がマルチナ・トレビザン(イタリア)を6-3 6-1で退けグランドスラム初優勝に王手をかけた。

 才能の評価、折り紙付きの将来性、またランキングなどからこの試合に勝つ有力候補と見なされていたガウフは、その期待の重圧に揺るがされることなく堂々と勝利を掴んだ。

 とは言え、試合はスコアが与える印象ほど一方的なものだった訳ではない。特に第1セットでは各ゲームに激しい揺さぶり合いがあり双方がよく戦った試合だったが、相手の力を知るがゆえに通常以上に厳しいところ狙いにいったトレビザンはミスも多かった。

 ブレーク合戦となった第1セットはガウフがリードしてはトレビザンが追いつくという展開になったが、ガウフが3度目のブレークに成功したあとコードボールなど幸運の助けもあって5-3とリードした。次のゲームでは懸命に戦ってはいるがやや無理して打っているためにミスが早くなったトレビザンがブレークを許し、セットを先取して流れを掴んだガウフはそのまま勝利へと突き進んだ。

 秋に開催された2020年大会の2回戦でトレビザンに敗れていたガウフはこの日、より成熟したところを見せて雪辱を果たした。彼女は安易にミスしない堅固さと辛抱強さ、ここぞというところで決めにいく攻撃性にドロップショットなどのタッチショットやネットプレーを織り交ぜ、終始冷静にプレーした。今大会でのガウフは、ここまでのところ一度もセットを落としていない。

「たった今、私はまだちょっぴりショックを受けていてどのように気持ちを表現したらいいのかわからないわ。でも、応援してくれてありがとう。不思議なことに、今日はあまり緊張しなかったの。唯一緊張感を感じたのはリラックスするために朝の散歩をしたときで、そのあとは大丈夫だった」とガウフは試合後のオンコートインタビューで語った。

「彼女のような選手とプレーするにはより辛抱強く戦わなければならないから、少し難しかった。私はアメリカ人だから強打することに慣れているけど、ときどきここは攻撃すべきときじゃないと自分に言い聞かせないといけなかった。マルチナとは2年前に対戦して負けていたから、特にクレーコートで彼女とプレーすることがいかに難しいかはわかっていた」

 2018年にはジュニアの部でチャンピオンに輝いた実績を持つガウフは決勝で、第20シードのダリア・カサキナ(ロシア)を6-2 6-1で破って勝ち上がった第1シードのイガ・シフィオンテク(ポーランド)と対戦する。

 決勝に向けてどのように準備したいか尋ねられたガウフは、「ええ、これはグランドスラム大会決勝よ。でも心構えは『何が起ころうと大したことではない』とでもいうものかしら。何があろうと私は幸せ。何が起ころうと、両親は私のことを愛してくれている」と答えた。

「世界では今、特にアメリカではいろいろなことが起きている。だからテニスの試合ひとつでストレスを感じる必要はないと思うわ」

続きを読むには、部員登録が必要です。

部員登録(無料/メール登録)すると、部員限定記事が無制限でお読みいただけます。

いますぐ登録

写真◎Getty Images

Pick up

Related

Ranking of articles