決勝進出のナダルが試合を分析「第1セットは奇跡だった」 [フレンチ・オープン]
今年2つ目のグランドスラム大会「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦5月22日~6月5日/クレーコート)の男子シングルス準決勝で、第5シードのラファエル・ナダル(スペイン)が右足首を捻るアクシデントに見舞われた第3シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)の途中棄権により最終ラウンドに駒を進めた。
決勝進出を決めたあと、この日36歳の誕生日を迎えたナダルは自分の体調について「フィジカル的に問題はない」と話した。
記者会見で体力についての質問が出たのは、ナダルが第9シードのフェリックス・オジェ アリアシム(カナダ)に対する4回戦で4時間12分の5セットマッチ、大会連覇を目指していた第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)との準々決勝でも同じ長さの4セットマッチを戦っていたからだ。
そしてこの日のズベレフ戦も7-6(8) 6-6で打ち切られたにも関わらず、3時間を超えたエネルギーを搾り取る密度の濃いバトルだった。つまり彼はここ3試合で、11時間46分をコートで費やしたことになる。
「確かに今日は凄く蒸し暑かった。経験から、こういうコンディションのときにはフィジカル的に少し苦しむのはわかっていた。試合中に多くのアップダウンがあったけど、素晴らしいポイントのあるいいレベルのテニスだったと思う。でももちろん、湿気のある重いコンディションでボールは遅いし、乾燥しているときより体力的にきついのは事実だ」とナダルはコメントした。
それから準決勝を振り返ったナダルは、「正直に言って、彼(ズベレフ)は驚くべきスタートを切った。あの第1セット(を取れたこと)は奇跡だった」と率直に語った。それは観る者皆が感じたことだ。第1セットのナダルは0-2、そして2-4から4-4に追い上げ、タイブレークでは2-6から挽回しなければならなかった。
「でも僕は戦い続け、ずっと解決策を見つけようとし続けていた」とナダルが言った通り、彼の最大の武器とも言えるこの姿勢が違いを生み出した。
自分が望むダメージを相手に与えられなかったのはこの遅いコンディションも関係していたと示唆したナダルは、「僕のボールは通常ほど高くバウンドしていなかっただろ? このコンディションも手伝い、彼を後方に押し下げることができていなかったんだ。彼は常にクリーンにボールを打ち抜くことができていた。僕は何とか生き延びていた感じだ。試合中に多くのサバイバルの瞬間があったよ」と分析した。
ナダルは14回目の優勝がかかった決勝で、第20シードのマリン・チリッチ(クロアチア)を3-6 6-4 6-2 6-2で破って勝ち上がった第8シードのキャスパー・ルード(ノルウェー)と対戦する。
写真◎Getty Images
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