ジョコビッチがセルビアの勝利を確保、ナダルのスペインはジョージアを倒す [ATPカップ]
今年新設された世界テニス国別対抗戦「ATPカップ」(オーストラリア・ブリスベン、パース、シドニー/1月3~12日/賞金総額1500万ドル/ハードコート)の大会2日目のナイトセッションは、3つの会場でラウンドロビン第1戦の3対戦が行われた。
ノバク・ジョコビッチ(セルビア)はケビン・アンダーソン(南アフリカ)を7-6(5) 7-6(6)でかわしてセルビアの勝利を決める前に、2020年最初の公式戦で予想していた以上の“やりごたえ”に遭遇することになった。
オーストラリアン・オープン優勝歴7回で世界ランク2位のジョコビッチは、ブリスベンでセルビア応援団の大声援の力を借りて母国のグループAでの戦いを勝利でスタートさせた。しかし彼は最初のタイブレークで事態が緊迫したときに、熱くなりすぎた観客をいさめなければならなかった。ある観客が数ポイント続けてラリー中に声を上げ、ジョコビッチは指を唇に当てて静粛にするよう頼む前に観客席に向かって叫んだのである。主審もまた観客に、「よいスポーツマンシップを見せるように」と観客たちに要請した。
「あれは、やや興奮しすぎてしまったセルビア人の観客だった。一瞬熱くなっただけのことであり、もし誰かの気分を害してしまったのなら申し訳ない。でも数ポイント連続で起きていたので…ポイント中に邪魔をするような声は本当に必要なかった」とジョコビッチはその場面について説明した。「とは言え、本当に応援には感謝している。雰囲気はデビスカップのときみたいだった」。
1月開催のATPカップ、日本戦含む16試合をCSテレ朝チャンネルで生中継
元世界5位のアンダーソンは昨年9月の右膝の手術を含め、故障に付きまとわれたシーズンを経てコートに戻ってきたところだった。彼は最初、ジョコビッチについていけなかった。ジョコビッチは最初の3ゲームで2ポイントしか落とさずに、瞬く間に4-1とリードを奪った。
しかし長身のアンダーソンは身体が温まるにつれ次第にエンジンの出力を上げ、第7ゲームでブレークバックに成功した。第8ゲームでは5つのブレークポイントを凌いでキープし、「ノール、ノール、ノール!」とジョコビッチのニックネームを叫ぶ観客たちの緊張感を大いに高めた。
第2セットでアンダーソンは6-5から自分のサービスゲームを迎えたが、結局ふたたびタイブレークに突入した。しかし彼はフォアハンドをネットにかけ、ジョコビッチは回転をかけたフォアハンドのウィナーでマッチポイントをつかむと最後はボレーを決めて試合にとどめを刺した。
グループAとBの夜の部の試合はいずれもダブルスの前に決着がついたが、試合の様相は極めて対照的だった。
パース会場で行われたグループBの対戦では、第2試合のエース対決で世界1位のラファエル・ナダル(スペイン)がニコラス・バシラシビリ(ジョージア)を6-3 7-5で下してスペインの勝利を決めた。それに先立ち、ロベルト・バウティスタ アグート(スペイン)が世界678位のアレクサンドル・メトレベリ(ジョージア)を6-0 6-0で倒していた。
反対にシドニー会場でプレーした世界4位のドミニク・ティーム(オーストリア)は、ボルナ・チョリッチ(クロアチア)にフルセットで敗れるという番狂わせを食らった。チョリッチは7-6 (4) 2-6 6-3でティームを破り、クロアチアの勝利を確定させた。第1試合ではマリン・チリッチ(クロアチア)がデニス・ノバク(オーストリア)に6-7(4) 6-4 6-4で競り勝ち、クロアチアが先勝していた。
「すごくがっかりしているが、これは典型的な年初めの試合だと思う。僕はいつも、最初の試合では苦労する傾向にあるんだ」とティームは振り返った。「月曜日には、ずっとよくなっているよう願うよ」。
ATPカップは6グループの勝者とグループ2位のチームのうち最良の成績を挙げた2チームが準々決勝に駒を進めることができ、8チームによる決勝トーナメントは1月9日からシドニーで行われる。 各対戦はシングルス2試合(ベスト・オブ・3セットマッチ)とダブルス1試合(第3セット10ポイントマッチタイブレーク)という形をとっている。
(APライター◎ジョン・パイ/構成◎テニスマガジン)
※トップ写真はノバク・ジョコビッチ(セルビア)
BRISBANE, AUSTRALIA - JANUARY 04: Novak Djokovic of Serbia celebrates victory in his match against Kevin Anderson of South Africa during day two of the 2020 ATP Cup Group Stage at Pat Rafter Arena on January 04, 2020 in Brisbane, Australia. (Photo by Bradley Kanaris/Getty Images)
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