アルカラスに2連勝のシナーが今季初優勝「すべては登っていくためのプロセス」 [クロアチア・オープン]

写真は今季初優勝を飾ったヤニク・シナー(イタリア/左)と準優勝のカルロス・アルカラス(スペイン)(Getty Images)


 ATPツアー公式戦の「プラバ・ラグナ・クロアチア・オープン・ウマグ」(ATP250/クロアチア・ウマグ/7月25~31日/賞金総額59万7900ユーロ/クレーコート)の男子シングルス決勝で、第2シードのヤニク・シナー(イタリア)が前年覇者で第1シードのカルロス・アルカラス(スペイン)を6-7(5) 6-1 6-1で倒してチャンピオンに輝いた。

 今季ここまで6度準々決勝に進出するなど非常に一貫性のある成績を挙げてきた20歳のシナーだが、優勝したのはこれが初となる。若手の中では頭一つ出ているように見えた19歳のアルカラスだが、シナーはいま確実に彼の天敵となりつつあるようだ。

 何本かのスーパーショットを決めたアルカラスが競った第1セットを取ったときには接戦になると思われたが、続く2セットはシナーがベースラインからのラリーで主導権を握り、直面した9つのブレークポイントをすべてセーブしてアルカラスを寄せ付けなかった。

 ウインブルドン4回戦でも4セットの末に勝者となっていたシナーにとって、これはアルカラスに対する今年2度目の勝利となる。ふたりの対戦成績は、これでシナーの2勝1敗となった。

「本当にうれしい。僕はここまで厳しい年を送ってきた。何度か不運な瞬間を経験したけど、その都度よりいいプレーをするため、より優れた選手のなるため、よりよい人間になるために努力を積んできた。だから今年ようやくトロフィーを掲げることができて本当に幸せだ。でも向上させなければいけないことがもっともっとあることはわかっている。すべては登っていくためのプロセスなんだ」とシナーは試合後にコメントした。

 第1セットを落したシナーは第2セット第2ゲームで0-40とされてブレークの危機にさらされたが、そこで踏ん張り抜いて1-1としたことで流れが変わった。アルカラスがリターンミスを2本したあとサーブ&ドライブボレーを決めてデュースに追いついたシナーは、最終的に合計6つのブレークポイントを凌いでそのゲームをキープした。次のゲームで直ぐさまブレークに成功したシナーは、結果的にそれ以降1ゲームも落とすことなく第2セットを取り返した。

「あれは極めて重要なポイントだった。あそこで踏ん張らなければならないことはわかっていた。彼は何本かのアンフォーストエラーを犯した。あのゲームが取れて本当によかったよ。それから僕のリターンがよくなって自分のレベルが上がり、解決策が見つかったんだと思う」とシナーは振り返った。

 本人の言葉通りシナーはそこからリターンゲームでアルカラスを脅かし続け、第2セットと第3セットで5度ブレークした。7度目のツアー決勝で6勝目を挙げたシナーは、クレーコートでの初タイトルを獲得した。

 アルカラスはロレンツォ・ムゼッティ(イタリア)に敗れた前週のハンブルクに続いて決勝で2連敗を喫し、今季のツアー決勝での戦績は4勝2敗となった。敗れはしたがアルカラスは、決勝に進出した時点で大会後に更新される世界ランクでステファノス・チチパス(ギリシャ)を追い抜き4位に浮上することが決まっていた。

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写真◎Getty Images

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