望まぬ悪役を演じたトムヤノビッチ「より大きな夢を見たい」 [USオープン]
今年最後のグランドスラム大会「USオープン」(アメリカ・ニューヨーク/本戦8月30日~9月13日/ハードコート)の女子シングルス3回戦で、アイラ・トムヤノビッチ(オーストラリア)は今大会を限りに引退することを示唆しているセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)を7-5 6-7(4) 6-1で倒した。
セレナの勝利を願う観客に溢れたスタジアムで望まずして悪役を演じることになったトムヤノビッチは、偉大な“セレナ・ウイリアムズ”を倒した最後の選手として自分の名前が歴史に刻まれることについて「私自身がテニス界の歴史の一部だったとは思わないから、かなり素敵なことだわ。ちょっぴり自分が悪役のようだと感じている」とコメントした。
「試合中の私は、何としてでも勝ちたいと思っていた。私は『これが彼女の最後の大会なのね』などという目で彼女を見てはいなかったから、次の対戦相手に勝ちたいと願うのと同じくらい彼女に勝ちたかった。でも終わったとき、いい気分はしなかったわ」
2回戦でセレナと戦った第2シードのアネット・コンタベイト(エストニア)はこの状況でセレナと対戦することのメンタル的な難しさに言及していたが、トムヤノビッチはその部分で自分にとって正しい姿勢を取ることができていたようだ。
「セレナとプレーする訳だから、状況ががまずい方向に進むのではという恐れはあった。私は自分を信じているけど、同時に疑念も抱いている。普通の人と同じように、常に疑念を抱いている悪い側のアイラが自分の中にいるの。私は自分を信じているし多くの努力を積んできたから、とにかく気持ちをポジティブな方向にむけようとした。心の底では自分が今夜のような舞台に値すると知っているから、悪いアイラが持っている感情をいい方向に向けてやることが重要だったの」
第3セットで5-1とリードしてからもセレナは抵抗し続けたが、トムヤノビッチはそのときの心理を「私は奇妙なほど冷静だった。例えブレークされても、だからどうだというのと感じていた」と明かした。
「彼女が困難に陥ったときにベストテニスを引き出してくる選手だということはわかっている。それで委縮するようなことはなかったわ。私は落ち着きを保ち、彼女の歴史書の1ページを取ったのよ。セレナは以前、次のポイントのことだけを考えていると言っていた。もし彼女と対戦するなら、彼女の戦法を使ってもいいじゃない」
ウイリアムズ姉妹と同じく父にテニスを教えられ、姉と一緒に精進して育ったというトムヤノビッチは「幼いころにウイリアムズ姉妹が彼女たちの父といるのを見て、少し私の物語と似ていると思った。やってのけるには協力的な家族と夢、情熱とテニスへの愛さえあればいいのだという意味で。でも彼女がやってのけたのは、ただただ信じられないようなことだった」と話した。
「私にはまだ数年のキャリアが残されている。私はこれまでよりも大きなことを夢見たい。彼女(セレナ)がそれを体現してくれたから」
同大会で初の16強入りを決めたトムヤノビッチは次のラウンドで、アレクサンドラ・クルニッチ(セルビア)を6-3 6-3で破って勝ち上がったリュドミラ・サムソノワ(ロシア)と対戦する。
写真◎Getty Images
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