「今日のニックはノバクやラファのようなレベルでプレーしていた」とメドベージェフ [USオープン]
今年最後のグランドスラム大会「USオープン」(アメリカ・ニューヨーク/本戦8月29日~9月11日/ハードコート)の男子シングルス4回戦で、タイトル防衛を目指していた第1シードのダニール・メドベージェフ(ロシア)が第23シードのニック・キリオス(オーストラリア)に6-7(11) 6-3 3-6 2-6で敗れた。
そしてこの敗戦は、メドベージェフが大会後に17週間に渡ってキープしていた世界ランク1位の座を失うことを意味していた。今季の彼はオーストラリアン・オープンで準優勝したが、グランドスラム大会で4回戦より先に勝ち上がったのはそれのみだった。ウインブルドンはロシア人であるため出場できなかったが、これは世界1位に相応しい成績ではない。
敗戦後のメドベージェフは2023年のグランドスラム大会では力強いパフォーマンスを発揮し、シーズンが終わるまでに世界1位の座を取り戻すことに意欲を燃やしていると語った。
試合後の記者会見でメドベージェフは「世界1位に戻り、グランドスラム大会で複数のタイトルを獲れるようになるためにはよりよいパフォーマンスをする必要がある」と述べ、世界1位の座を失うことについては「それは試合後にまず頭に浮かんだことではなかった。僕は『クソー、もう世界1位じゃない!』なんて思ったりはしなかったよ」と話した。
「実際、自分が何位になるのか知らないんだ。恐らく3位か4位だろう。カルロス・アルカラス(スペイン)が僕を追い越すんじゃないかな。実際はよく知らない。でもそれは、よりよくやろうとするためのモティベーションだよ。言うまでもなく、これは今年最後のグランドスラム大会だ。僕はあまり活躍できなかった。オーストラリアでチャンスがあったけど、優勝できなかった。ウインブルドンではプレーする機会を手にすることができず、フレンチ・オープンは4回戦で負け、ここでも4回戦だった。ああ、もっとうまくやるべきだった。ふたたび世界1位になりたいなら、もっとポイントを獲得する必要がある」
対戦成績で1勝4敗とされたキリオスは、メドベージェフにとってある種の天敵だ。メドベージェフはいいときのキリオスのレベルについて、ラファエル・ナダル(スペイン)やノバク・ジョコビッチ(セルビア)に近いと評価した。
「彼はモントリオールでもいいプレーをした。あれはレベルの高い試合だった。僕はノバクやラファとも対戦したけど、彼らは皆素晴らしいプレーをする。僕の意見では、今日のニックは彼らのようなレベルでプレーしていた」とメドベージェフはコメントした。
「彼は少し違ったタイプのテニスをする。彼はある意味、根性を出して食い下がってくるようなタイプではないからね。でも同時に、彼は(長い)ラリーもできる。彼はやり難い相手だよ。彼は驚くべきサービスの持ち主だけど、ベースラインでも自分のほうが有利という訳ではない。彼はいいプレーをし、あらゆるショットを打つ。本当に彼はハイレベルな試合をした。もし彼が大会の終わりまでこのようにプレーしたら、優勝する可能性があるよ」
メドベージェフは22本のサービスエースを奪いはしたが、ファーストサーブの確率は59%とあまりよくなかった。また彼は特に第1セットではモントリオールのときとは違ってリターンでよりベースラインに近い位置に立ち、相手がサーブ&ボレーを仕掛け難いように工夫していた。しかし試合が進むにつれて彼はサービスに反応する時間を作るため、ポジションをベースライン後方まで下げるようになった。
「それがプランだったんだ。彼にサーブ&ボレーをさせないようにするということがね」とメドベージェフは明かした。
「でもある瞬間に、僕は少しベースラインに近すぎるんじゃないかと感じた。だから確かに前にいたほうがサーブ&ボレーはし難いだろうけど、自分がもう少しリターンをしやすい位置まで下がったんだ。全体的にはリターンはそれほど悪くなかったと思う。簡単ではないけど、もう少しいいサービスを打つべきだったし、ベースラインでももう少しいいプレーをすべきだった。彼はいいプレーをしたよ」
写真◎Getty Images
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