「フィーリングで決めた」予選1回戦勝利の奈良が引退について語る [東レPPOテニス]
国内最大のWTAツアー公式戦「東レ パン・パシフィック・オープンテニス」(WTA500/東京都江東区・有明コロシアムおよび有明テニスの森公園コート/本戦9月19~25日/賞金総額75万7900ドル/ハードコート)の予選1回戦で、第7シードの奈良くるみ(安藤証券)がニコール・メリカ マルチネス(アメリカ)に6-0 6-3で勝利した。
大会前に今シーズン限りでの引退を発表した奈良は、勝利後に決断した日のことを語った。
「(6月5日)韓国のITF大会で優勝した翌日でした。説明がつかないけど、ここで辞めるのがいいのかなと。降ってきた感じで、そう感じる瞬間があった。テニスは1年間ツアーを周って戦う世界。フィジカルが落ちると精神面も衰えてくる。ふとした瞬間に今シーズンで終わるのが自分にとっていい道だなと思った。深く考えたというよりは、フィーリングでそう感じた」
辞めると決めたときの気持ちを表現した。
「ずっと前から、テニスが嫌で嫌で終わることはキャリアでしたくなかった。その中で結果を出せずに苦しい中で、自分が頑張れているなと認められるものもあった。韓国で優勝してほっとしてしまった部分があったかもしれない。頑張れている、辞めてもいいかなと。来年のことはまったく考えられず、そこで決断した」
東レPPOテニス予選1回戦でニコール・メリカ マルチネス(アメリカ)を圧倒した奈良くるみ(安藤証券)(写真◎BBM)
将来のことは何も考えていないが、テニスに関わっていきたいという。
「今後のことはまったく考えていない。テニスをやってきて、凄くテニスが好きなんだなと感じている。終わりに近づいてきて、このスポーツをやってきてよかったなと感じられているので、テニスに関わる何かをしたい」
今年1年間は、USオープンの予選に出場することを目標に掲げてきたが叶わなかった。これまでの思い出の試合には、やはりUSオープンの試合を挙げた。
「自分はグランドスラムに重きをおいて、年に4回ピークを持ってくるように今まで力を注いできた。最後のUSオープンは出られなかったけど、予選を勝ち上がったときに凄くうれしかったのを思い出した。スベトラーナ・クズネツォワ(ロシア)を倒して3回戦に進出した(2017年)のは、今回ニューヨークに入っていい思い出だったのだなと振り返った」
現在のテニス界で30歳での引退は少し早くも感じられる。だが、引退を撤回してコートに戻ってくる気持ちはないときっぱり言いきった。
「それはまったくなかった。私はパワーで1球、2球で仕留めるのではなく、ラリーを組み立てて、ロングラリーで勝っていくスタイル。このスタイルだと体力的にちょっと厳しい。ツアーは1年間を通して頑張るのが大事。それを考えると、来シーズンのことは考えられなかった。“引退してもカムバックしてもいいんだよ”と皆は言ってくれるけど、今のところ200%くらいないかなと」
奈良は明日9月18日(日)、センターコートでの第2試合となる予選決勝で第5シードのイザベラ・シニコバ(ブルガリア)と対戦する。
写真◎BBM
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