「日本の皆さんから多くのエネルギーをもらっている」準決勝進出のジャン・シューアイ [東レPPO]

東レPPO準々決勝でペトラ・マルティッチ(クロアチア)を退け、試合後の記者会見で話すジャン・シューアイ(中国)(写真◎BBM)


 3年ぶりの開催となる国内最大のWTAツアー公式戦「東レ パン・パシフィック・オープンテニス」(WTA500/東京都江東区・有明コロシアムおよび有明テニスの森公園コート/本戦9月19~25日/賞金総額75万7900ドル/ハードコート)の女子シングルス準々決勝でジャン・シューアイ(中国)がペトラ・マルティッチ(クロアチア)を7-5 6-2で下し、試合を振り返った。

「簡単じゃなかった。彼女のテニスは本当に美しい。トップスピンのフォアハンド、スライスのバックハンドをストレート、クロスに打ち分け、強いショットだけじゃなくてドロップショットもたまに織り交ぜてくる。サービスもビッグサーブとキックサーブがある。テクニックだけでなく、メンタル、頭脳も試される試合だった」

 コロナ禍では中国に帰ると隔離期間が長いなどマイナス面が大きく、帰らず大会に出続けるという決断を下した。

「いつも大きな大会後は中国に帰りたかった。でも航空券が高過ぎて買えない。コロナ禍になった直前のインディアンウェルズから中国へ帰国したときは4週間隔離され、何もできなかった。そこからまた試合ができる状態に戻すのに時間がかかる。無理にプレーするとあちこちに痛みが出てまたプレーできなくなる。だから、中国に戻らずに大会を戦い続ける決断をした。“毎週試合に出続けるなんて凄い”と他の選手には言われるけど、33歳であと何年プレーできるかわからないし、できるだけプレーしたい」

いつも冷静で落ち着いて戦い続ける秘訣を聞いた。

「普段から我慢強くて、コート内でも同じようにしている。でもたまには怒っている。今日の試合でマッチポイントひとつで終わらせられなかったことに怒った。でも勝ちたいからこそ、直ぐ次のポイントに気持ちを切り替えて集中するようにしている。すべてのトップ選手がそういう風にプレーしているから。トップへいくには、テニスのプレー面だけでなく、内面もよくしないといけない」

日本には選手仲間も多く、中国から様々な面で近いことで親近感を抱いている。

「日本は中国と時差が1時間しかない。皆、夜中に起きなくても試合を観ることができる。それだけ中国に近い。ジュニアの頃から中国、韓国、日本の選手たちは家族のように仲がいい。日本に来ると、食事も似ているし、肌の色も一緒、黒い髪も一緒で凄く仲間意識がある。土居美咲は“アジアンパワーで一緒に頑張ろうね!”と言ってくれる。会場で歩いていても、”頑張ってね!”と声をかけてくれる。多くのエネルギーを日本の皆さんからもらっている」

 ジャンは準決勝で、第3シードのガルビネ・ムグルッサ(スペイン)とリュドミラ・サムソノワ(ロシア)の勝者と対戦する。

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写真◎BBM

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