「ご飯が美味しいのはイタリア!」土居美咲×葛西紀明 特別対談インタビュー Part1



――テニスのツアーでは英語が共通語ですが、スキーのジャンプは何語ですか?

葛西「ジャンプもみんな英語で話しかけてくれます。僕はあまり話せないですけど。でも、ヨーロッパはドイツ語、イタリア語、ノルウェー語、フィンランド語、ロシア語など、いろんな言葉が飛び交っています。僕は16歳から海外遠征をしていますが、いろんな言葉をチョイスし過ぎて、英語も中途半端になってしまいました」

土居「全部、ちょっとずつ、みたいな」

葛西「そうなんです。でも、数字だけは全部わかります。相手が何mと言ったら、ちゃんと距離を理解できます。僕が一本目トップで、2本目で自分の前の選手が自分より飛んでいたら、わかっちゃうので“この選手より飛ばなきゃ!”とプレッシャーを感じます」

土居「なるほど、数字がわかっちゃうだけに」

葛西「はい。小林陵侑は現地語の数字を覚えていないので、知らずに飛んでいると思います」

土居「それはそれでいいかもしれないですね(笑)」

葛西「挨拶も大体みんな、ヨーロッパの言葉で言えます」

土居「テニスは現地語の数字を使うことがほとんどないので、それほど意識したことがないですね。“こんにちは”、“おはよう”、“ありがとう”を言えばみんな笑顔になって喜んでもらえる(笑)」

葛西「僕も最初から英語だけに集中すればペラペラになれたのに。いろんな言葉を知り過ぎてしまった」


ポータブルマットを持ち歩いて、良質の睡眠を確保しているという葛西紀明

――遠征の期間がかなり長いと思いますが、これだけは欠かせないという必需品はありますか?

葛西「枕とマットくらいです。ポータブルマットがあります。シングル1枚分くらいの面積です。海外のベッドは柔らか過ぎるときがあるので、これ一枚敷くだけで腰が痛くならないです」

土居「確かに、柔らかいベッドはありますね」

葛西「昔は日本食を持って行きましたけど、荷物が重くなってしまうので、現地で美味しいものを探しています。何十年も遠征に行っていたのでね。”次、あの国ならアレだな!”というのが大体思い浮かびます」

――現地のスーパーを見るのは楽しいですよね。土居さんは欠かせないものは何かありますか?

土居「私はあまりないんです。現地の食事も好きです。でも、試合前はパスタを食べたいんですよ。日本で混ぜるだけのパスタソースが売っているじゃないですか? あれを“ピンチのとき用”に毎回持って行っています」

――ピンチのとき?

土居「会場のご飯が美味しくないときもあるんです。大丈夫なことのほうが多いですけど、味に飽きちゃったり、”ここの会場はヤバいぞ”というときに持っておくのが大事なんです。”何かがあったら、君たちがいる!”みたいな心の拠り所です。たらこスパゲッティとかもあります」

葛西「ジャンプの後輩たちは同じようにみんな持ち歩いてますね」


――大会中に時間があるときは、どのように過ごしますか?

葛西「僕は積極的に行動するタイプです。休みも、休みじゃない日もです。朝、目が覚めたら頭がぐるぐる回るんです。”今日一日何しようかな?と。“寝て曜日”はないです。ショッピングに出掛けたり、美味しいもの食べに行ったり。ヨーロッパばかりなので、一度イタリアのベネツィアにも行きましたね。土居さんはどうですか?」


土居「私は両方です。1日なら目覚ましをかけずに寝て、2、3時間で観光できる場所へ行ったりします。昨年はコロナ禍で日本に帰るのが大変だったので、アメリカで3日間くらい時間があったときは、グランドキャニオンに行きました。凄い良かったです。セドナ、アンテロープキャニオンという場所もあるんですけど、そういう観光地を車で巡りました。メチャクチャ良かったです」

葛西「ナイアガラの滝は行ったことある?」

土居「あります! そこも凄く感動しました」

葛西「いいなあ」

土居「アメリカ、カナダは規模が違うじゃないですか。日本の規模感ではなくて、地球という大きな規模感があって、結構衝撃的で良かったです」


Part2では、葛西が抱えるテニスの悩みを土居が解決?!
続く…

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取材・構成◎池田晋 写真◎BBM

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