「よくネットに掛かってしまう」という葛西の悩みを土居が解決! 土居美咲×葛西紀明 特別対談インタビューPart2

土居美咲が、自身が使用するラケットを葛西紀明にプレゼント



――土居さんは現在コーチを付けていないですが、コーチを含めたチームは大体何人くらいですか?

土居「私はコーチ、トレーナーさんくらいです。(錦織)圭君くらいのレベルになると、もっと大所帯になります」

――葛西さんはどのようにチームを組んでいますか?

葛西「僕は会社に所属していて、会社のチームに外国人のコーチがいます。これまではフィンランド人、オーストリア人でしたが、現在はスロベニア人です。昨シーズンはスロベニアの選手が強くて、今年のオリンピックでもスロベニアが団体、女子で金メダルをたくさん獲りました。スロベニアのジャンプスタイルが気になり、そのトレーニングを取り入れています。ケアの担当もいますよ」

土居「葛西さんは監督もされていますよね? 後輩の選手たちを指導しているのですか?」

葛西「教えるのはコーチですけど、よっぽど成績が出なかったり、悩んでいる選手がいたらアドバイスします。僕は選手も兼ねているので、気を使ってくれているのか、あまり聞いてこないんですよ。たまに、小林陵侑が聞いてくるんですけど、それで色々言ってしまったがために、あんなに強くなっちゃった!」

土居「(笑)教えなきゃよかった?」

葛西「半分くらいにしとけば良かった(笑)。今、小林陵侑の弟・龍尚がうちのチームに来て、この2年くらい成績が出なくて、昨シーズンくらいに“葛西さん、教えてください”と言ってきたんです。一緒にサウナスーツを着て走り込みから始めて、色々教えたらだいぶ成績が上がってきました。基本的には外国人のコーチがアドバイスして、ここぞというときに僕が教えるくらいです」

土居「ここぞというときに言ってくれるから、それが一番効くんでしょうね」

――スロベニアの強さの源、何か見えましたか?

葛西「5月くらいからスタートしたのでまだ半年くらいですが、細かいところまで教える熱心さが日本のコーチと違うと感じます。“これは強くなるな”と納得しました」


東レPPOもコーチ無しで臨んだ土居美咲(ミキハウス)。1回戦でジェン・チンウェン(中国)に2-6 4-6で敗退。相手はその後に決勝まで勝ち上がり準優勝

――土居さんは以前アメリカ人のクリスチャン・ザハルカをコーチにつけていましたが、日本人と違いはありましたか?

土居「考え方が違いますね。日本人のほうが少し狭い視野で、海外のコーチのほうが大きく、広く、物事をとらえる。信じる力は確実に海外のほうが大きいと思います。選手として“ここまで行きたい!”と思っていても確信が持てないときに、信じさせてくれるんです。説明するのが難しいのですが、コーチが選手を100%にどれだけ持っていけるかが大事です。ちょっとした不安で100から落ちてしまうので、そこを引き上げてくれる力が大きいです」

葛西「外国人コーチのほうがリフレッシュの仕方がうまいですね。日本のコーチはあまり休みをくれないので疲れが溜まるときもあります。でも、休みをくれるとリフレッシュできるから、次の練習でまた頑張れるんです」

土居「確かに。外国人コーチのほうがメリハリをつけるのが上手ですね」

Part3では、土居が葛西に是非とも聞きたかった用具の話
続く…

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取材・構成◎池田晋 写真◎BBM

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