「イガの壁に打ち続けていた」決勝を振り返るベキッチ [サンディエゴ・オープン]

サンディエゴ・オープン準優勝トロフィーを掲げて笑顔のドナ・ベキッチ(クロアチア)(Getty Images)


 WTAツアー公式戦の「サンディエゴ・オープン」(WTA500/アメリカ・カリフォルニア州サンディエゴ/10月10~16日/賞金総額75万7900ドル/ハードコート)の女子シングルス決勝で、第1シードのイガ・シフィオンテク(ポーランド)に3-6 6-3 0-6で敗れたドナ・ベキッチ(クロアチア)が試合を振り返った。

「限界を超えて戦い、すべてを出しきった。まず、同じ日に準決勝で自分の気持ちをしっかり持って戦うのが簡単ではなかった。その試合を終えた2時間後に、現在断トツでに世界一強いイガを相手にコートに立ち、何とか第2セットを奪うことができた。でも、第3セットは“イガの壁”に打ち続けているような感じだった。彼女のプレーは別の次元。私は第2、第3セットで最高のプレーを見せたけど、彼女が強すぎた。彼女が間違いなく現在世界で最高の選手よ」

 さらにシフィオンテクの強さを称えた。

「彼女にどんなにいいショットを打っても、それ以上のショットが返ってくる。自分のショットもかなりよかったのにね。彼女のプレーに圧倒された。第3セットでは体力面でも彼女のほうがフレッシュだった。とにかく何度でもボールが返ってくる。動きも素晴らしいから、いいコースを突いても返ってくる。そうなると、よりリスクの高いショットを狙うしかなくなる。当然ミスも増える。準決勝までの試合ではなかった感覚だった」

だが、そんなシフィオンテク相手にも勝てると思ったという。

「どの選手も勝つチャンスがあると思う。イガは今シーズン素晴らしい成績だったけど、彼女を倒すことは不可能じゃない。彼女も人間だからね。完璧な人間なんて誰もいない。彼女は今、素晴らしいプレーをしている。私の力でも倒せるかもしれないと思わせるところまでいった。この試合で勝てると思った瞬間はあった」

収穫の大きい大会となった。

「本当に素晴らしい大会、雰囲気だった。応援は素晴らしかった。今大会は厳しい試合ばかりで精神的に厳しかったし、ストレスが大きかったけど、でも、決勝で応援してもらえて本当にうれしかった。満員のスタジアムでプレーできるのは、本当に素晴らしいことだった。このレベルに戻ってこられたことがうれしい。右膝の手術のあとは、ここまで戻ってこられるとは思わなかった。これほどいい状態で今シーズンを終えられることがうれしい。オフに向けて大きなモティベーションになるし、来シーズンさらに強くなってコートに立ちたい」

今年はランキングよりも、まずは最高のレベルを取り戻すことに集中した。

「ランキングが上がることもうれしいけど、でも、まだまだ自分が理想としている順位には程遠い。しかも、ランキングを上げることが最大の目標でもない。今考えているのは、健康な体で来シーズンは更にいい成績を残せるように準備すること。来年ならランキングで大きな目標を立てられるかもしれない。今年はまず、このレベルで戦える状態に戻すことが目標だった。今それが達成できたから、これを続けていればランキングも自然とついてくるはず」

 ベキッチはこのあとメキシコへ移動してグアダラハラ・オープンに出場し、2回戦で第8シードのベロニカ・クデルメトワ(ロシア)に敗れている。

続きを読むには、部員登録が必要です。

部員登録(無料/メール登録)すると、部員限定記事が無制限でお読みいただけます。

いますぐ登録

Pick up

Related

Ranking of articles