またしても故障がナダルを阻む、ジョコビッチは5度目のタイトル獲得に王手 [ロレックス・パリ・マスターズ]

ATPツアー公式戦の「ロレックス・パリ・マスターズ」(ATP1000/フランス・パリ/10月28日~11月3日/賞金総額579万1280ユーロ/室内ハードコート)の男子シングルス準決勝が行われ、第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)とデニス・シャポバロフ(カナダ)が決勝に勝ち進んだ。

 またしても故障が、ラファエル・ナダル(スペイン)の行く手を阻んだ。彼は土曜日の準決勝を棄権した。それは世界ランク1位のジョコビッチがシャポバロフに対し、5度目のタイトルを目指して戦うことになるということを意味していた。

 日曜日の決勝でナダルとジョコビッチの間の55回目の対戦を観ることを望んでいたファンたちは、準決勝の2試合目が始まる少し前にナダルが腹筋の故障のために棄権するということを知って失望を隠せなかった。それは、昨年のこの大会が始まる前にナダルに棄権を強いたのと同じ部位の故障だ。

「過去にもこういったことは経験した。だから医師は、プレーしないよう薦めてきた」とナダルは説明した。「僕は決断を下さなければならなかった」。

ロレックス・パリ・マスターズ2019|PHOTOアルバム

 ナダルはこの日の朝に練習をしているときに、故障は急に悪化したのだと明かした。スキャンの結果、ちょっとした筋肉の問題が見つかった。ナダルは練習に戻ったが、サービスを打つ際にやはり痛みを感じたため、無理してより深刻な故障を負う危険を冒す価値はないという結論に達したのだという。

 昨シーズンのナダルは、腹筋の故障のためにロンドンでのシーズン末のATPファイナルズに出場することができなかった。しかし彼は、11月10日から始まる今年の同大会には間に合うように回復できることを願っている。

「ロンドンまでには準備が整うよう願う。それが今の最大の目標だ」とナダルはコメントした。「大会までに回復できるよう、可能なことはすべてやるつもりだよ」。

 これに先立ちジョコビッチはグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)を7-6(5) 6-4で下し、同大会で6度目決勝進出を決めていた。彼はキャリア77勝目、そして34回目のマスターズ制覇を目指している。ATPツアーでキャリア2度目、マスターズ大会では初の決勝を戦うシャポバロフに対し、ジョコビッチは3戦全勝の戦績を誇っている。

5度目のタイトル獲得に王手をかけたノバク・ジョコビッチ(セルビア)
PARIS, FRANCE - NOVEMBER 02: Novak Djokovic of Serbia celebrates victory after his semi final match against Grigor Dimitrov of Bulgaria on day 6 of the Rolex Paris Masters, part of the ATP World Tour Masters 1000 held at the at AccorHotels Arena on November 2, 2019 in Paris, France. (Photo by Dean Mouhtaropoulos/Getty Images)

「もちろん、こんな形で初めてマスターズの決勝に進出することを望んではいなかったよ」とシャポバロフはナダルの故障について言及しながら話した。「しかしいずれにせよ、これは僕にとって大きなチャンスだ。僕はリスクを恐れるほうではないから、もちろんチャレンジするよ」。

(APライター◎ジェローム・パグマイア/構成◎テニスマガジン)

※トップ写真はラファエル・ナダル(スペイン)
PARIS, FRANCE - NOVEMBER 02: Rafael Nadal of Spain speaks to the media to announce he will not be able to play his semi finals match against Denis Shapovalov of Canada on day 6 of the Rolex Paris Masters, part of the ATP World Tour Masters 1000 held at the at AccorHotels Arena on November 2, 2019 in Paris, France. (Photo by Dean Mouhtaropoulos/Getty Images)

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