前年覇者シフィオンテクが厳しい戦いを乗り越え3度目の決勝進出「第2セットはすべてのポイントが重要だった」 [フレンチ・オープン]

写真は苦しんだ末のストレート勝利で大会連覇に王手をかけたイガ・シフィオンテク(ポーランド)(Getty Images)


 今年2つ目のグランドスラム大会「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦5月28日~6月11日/クレーコート)の女子シングルス準決勝で、第1シードのイガ・シフィオンテク(ポーランド)が第14シードのベアトリス・アダッド マイア(ブラジル)を6-2 7-6(7)で振りきり大会連覇に王手をかけた。

 勝利の瞬間にシフィオンテクが見せた喜びの爆発とガッツポーズが試合の厳しさを示していた。シフィオンテクはこれまで通りストレートで勝ったが、この試合は準決勝に相応しくここまででもっとも競ったものだった。

 オープニングゲームをブレークされたシフィオンテクは直後に追いついたあと2-2から4ゲームを連取して第1セットを先取し、第2セットでは競り合いながら突入したタイブレークでセットポイントを凌いだ末に2度目のマッチポイントをものにして2時間9分で勝利を決めた。

「また決勝に進出できて凄くうれしい。厳しい試合だった。特に第2セットはすべてのポイントが重要だった。ストレスのかかる瞬間もあったけど、しっかりとしたプレーができてタイブレークで試合を終わらせることができてよかったわ。簡単ではなかった。ベアトリスは本当にいいプレーをしていた。ただただうれしい」とシフィオンテクは試合後にコメントした。

 第2セットで1-3とリードされたシフィオンテクは第6ゲームでブレークバックしたが、アダッド マイアがその後も食らいついてタイブレークに突入した。アダッド マイアはタイブレークで先行して6-5でセットポイントを握ったが、経験の差が出たのか勇敢に戦いながらも緊張で硬くなっている様子も見せてラリーの早い段階でフォアハンドをネットにかけてチャンスを逃したことが高くついてしまった。

 アダッド マイアは最初のマッチポイントを劣勢からフォアハンドで放ったダウン・ザ・ラインのウィナーで凌いだが、シフィオンテクが2度目のチャンスで甘くなった返球をフォアハンドで叩き込んできっちりものにした。

「サービスでスピンを利かせたり、彼女は左利きである利点をうまく活用してきた。(左利きとの対戦は)戦術的にちょっと違ってくる。彼女は左利きだから、ほとんどのことを切り替えて対応しなければならない。でもクレーコートでは自分の力を発揮できるし、必要に応じてフィジカルな戦いにすることもできるとわかっていた」とシフィオンテクは試合後に語った。

 シフィオンテクは3度目の決勝で、第2シードのアーニャ・サバレンカ(ベラルーシ)を7-6(5) 6-7(5) 7-5で破って勝ち上がったカロリーナ・ムチョバ(チェコ)と対戦する。ふたりは2019年4月にプラハの1回戦で一度対決したことがあり、そのときはムチョバがまだトップ100位に入ったばかりだったシフィオンテクに4-6 6-1 6-4で勝っている。

「2019年以来、私は彼女(ムチョバ)と何度も練習してきた。そして偶然だけど、彼女の試合をほかの誰よりもたくさん観てきたわ。正直に言って、私は彼女のテニスが本当に好きなの。凄くリスペクトしているし、何でもできる選手だと感じている」とシフィオンテクは次戦を見据えた。

「彼女は素晴らしいタッチを持っており、プレーのスピードを上げることができる。動きがよくてのびのびとプレーするし、素晴らしいテクニックを持っている。試合をよく観ているから彼女のテニスはよくわかっていると思っている。でも実際に試合をしてみると少し違うだろうし、何があってもいいように準備はできているわ」

続きを読むには、部員登録が必要です。

部員登録(無料/メール登録)すると、部員限定記事が無制限でお読みいただけます。

いますぐ登録

写真◎Getty Images

Pick up

Related

Ranking of articles