5連覇を逃したジョコビッチがアルカラスを称賛「彼のような選手とプレーしたことがなかった」 [ウインブルドン]

写真は男子シングルス表彰式でお互いの健闘をたたえ合うカルロス・アルカラス(スペイン/左)とノバク・ジョコビッチ(セルビア)(Getty Images)


 今年3つ目のグランドスラム大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦7月3~16日/グラスコート)の男子シングルス決勝で、第1シードのカルロス・アルカラス(スペイン)が第2シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)との頂上決戦を1-6 7-6(6) 6-1 3-6 6-4で制して新チャンピオンに輝いた。

 2018年から続いた長きに渡るウインブルドンでのジョコビッチの覇権に終止符を打ったアルカラスは、1968年のオープン化以降で21歳になる前にグランドスラム大会で複数のタイトルを獲得した5人目の男子選手となった。敗れたジョコビッチはウインブルドンでの連勝を「34」で、グランドスラム大会での連勝は「27」で止められた。

 前年覇者で男子の最多記録を持つロジャー・フェデラー(スイス)に並ぶ8度目の優勝を目指していた世界ランク2位のジョコビッチは敗れたあと、20歳の新王者を自身やフェデラー、ラファエル・ナダル(スペイン)の『ビッグ3』と比較して称賛した。

「ここ12ヵ月の間に人々はロジャーやラファ(ナダル)、そして僕が持つ資質で構成されているアルカラスのテニスについて議論してきた。僕もそれに同意するよ。彼は基本的に3人それぞれの一番いい部分を持っている」とジョコビッチは試合後の記者会見で語った。

「彼はメンタル的な回復力を持っており、20歳にしては本当に成熟している。かなり強い感銘を受けたよ。彼は僕たちが長年に渡ってラファを観て感じたようなスペインの闘牛を思わせるメンタリティと闘争心があり、信じられないようなディフェンス力を持っている。また彼は僕と少し似たなかなかいいスライディングバックハンドを持っている。両手打ちバックハンド、ディフェンス力、それに適応する能力は長年に渡って僕の強みだったけど、彼はそれも持っているんだ」

「正直に言うと、彼のような選手とはプレーしたことがなかった。ロジャーとラファはそれぞれ独自の強みと弱点を持っていた。カルロスは目につく欠点がない非常に完成度の高い選手だ。驚くべき適応能力はすべてのサーフェスで成功をおさめるキャリアと長寿のカギだと思う」

 記者会見で後悔はあるかと聞かれたジョコビッチは「第2セットのタイブレークだと思う」と答えた。

「自分のバックハンドに足を引っ張られた。セットポイントで僕はバックハンドをミスした。かなり深く入ってきてバウンドがイレギュラーになったけど、あのショットをミスすべきではなかった。それから6-6でもコート中央からのバックハンドをネットにかけた。この2本は本当にお粗末だった。それでお終いさ。そこから流れが彼のほうにいってしまったんだ」

 この決勝は勝ったほうがタイトルと世界ナンバーワンの座を手にするという大きなものがかかった試合だったが、昨年のUSオープンに続きグランドスラム大会でキャリアふたつ目のタイトルを獲得したアルカラスは月曜日から世界1位としての29週目を開始することになる。

「彼(アルカラス)はこれからかなり長くツアーでプレーすることになる。僕のほうはあとどのくらい長くやれるかわからないけどね。僕たちはまだ3度しか対戦していないけど、本当に競った3試合だった。今年だけでグランドスラム大会の終盤で2試合を戦っている」とジョコビッチはアルカラスとのライバル関係について話した。

「USオープンでまた対戦できるよう願っている。世界1位と2位が5時間に渡る5セットの大接戦を演じるというのはテニス界にとってこの上なくいいことだからね」

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写真◎Getty Images

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