ジョコビッチが歴代単独トップとなる35回目のグランドスラム決勝進出「今の自分が過去最高のテニスをしていると信じたい」 [ウインブルドン]

写真は大会5連覇と24回目のグランドスラム制覇に王手をかけたノバク・ジョコビッチ(セルビア)(Getty Images)


 今年3つ目のグランドスラム大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦7月3~16日/グラスコート)の男子シングルス準決勝で第2シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)が第8シードのヤニク・シナー(イタリア)を6-3 6-4 7-6(4)で下し、男子の最多記録を持つロジャー・フェデラー(スイス)に並ぶ8度目の優勝に王手をかけた。

 コロナ禍で開催されなかった2020年を挟んで2018年から4連覇中のジョコビッチは、同大会での連勝を「34」に伸ばした。四大大会での決勝進出は35回目となり、クリス・エバート(アメリカ)を抜いて歴代単独トップとなった。

 深く鋭いリターンで相手のサービスゲームを脅かしたジョコビッチは第2ゲームでブレークに成功して早々に試合の主導権を握り、一度ずつ相手のサービスゲームを破って最初の2セットを連取した。シナーは試合が進むにつれてレベルを上げ第3セットは拮抗した展開となって5-4からのレシーブゲームで15-40とセットポイントを握ったが、そのピンチを凌いだジョコビッチがもつれ込んだタイブレークを制して2時間47分で試合を締めくくった。

「準決勝は常に非常な緊迫感のある競った試合になるものだ。非常に競った3セットだった。スコアは実際にコートで起きていたことを正確に表していないと思う。かなりの接戦だった」と36歳のジョコビッチは試合後のオンコートインタビューで語った。

「第3セットは彼(シナー)が取ってもおかしくなかった。彼は5-4で15-40とリードし、セカンドサーブになったポイントもあった。でも彼がいくつかのショットをミスしたおかげでタイブレークに持ち込むことができたんだ。特に第3セットは大きなプレッシャーがあった。早い段階でチャンスがあったけど、彼が次世代のリーダーのひとりで世界最高の選手のひとりである理由を示して見せた。この新しい世代と渡り合うことができるのは素晴らしいことだ」

 ふたりは昨年の大会では準々決勝で対決し、ジョコビッチが2セットダウンと追い込まれながらも5-7 2-6 6-3 6-2 6-2で逆転勝利をおさめていた。今年のオーストラリアン・オープンとフレンチ・オープンを制しているジョコビッチは、ケン・ローズウォール(オーストラリア)とフェデラーに続き36歳以上でウインブルドンの同種目で決勝に進出したオープン化以降3人目の選手となった。

「僕は今の自分がこれまでで最高のテニスをしていると信じたい」とジョコビッチは語った。

「個人競技だから(コートの上で)信頼できるのは自分だけだ。コートに出る前に自分を肉体的にも精神的にも感情的にも可能な限り最高の状態に置くよう努力しなければならない。僕は年齢を障害だとか試合の結果を左右する要因とは考えないようにしている。それどころか36歳は新しい26歳だと感じているんだ。気分がいいよ」

 ジョコビッチは決勝で、第3シードのダニール・メドベージェフ(ロシア)を6-3 6-3 6-3で破って勝ち上がった第1シードのカルロス・アルカラス(スペイン)と対戦する。この試合でジョコビッチが勝つと、世界ナンバーワンに返り咲くとともにグランドスラム獲得タイトル数で男女を通した最多記録を持つマーガレット・コート(オーストラリア)の「24」に並ぶことができる。

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写真◎Getty Images

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