ジョコビッチの牙城を崩したシナーがグランドスラム初優勝に王手「間違いなく大きな意味があるけど大会はまだ終わっていない」 [オーストラリアン・オープン]

写真はディフェンディング・チャンピオンを倒して初のグランドスラム決勝進出を決めたヤニク・シナー(イタリア)(Getty Images)


 シーズン最初のグランドスラム大会「オーストラリアン・オープン」(オーストラリア・ビクトリア州メルボルン/本戦1月14~28日/ハードコート)の男子シングルス準決勝で、第4シードのヤニク・シナー(イタリア)が第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)を6-1 6-2 6-7(6) 6-3で倒してグランドスラム初優勝に王手をかけた。

 序盤から主導権を握って2セットを先取したシナーは第3セットのタイブレークでマッチポイントを握ったが、ジョコビッチがそこから3ポイントを連取して1セットを奪取した。

「とてもとても厳しい試合だった僕は本当にいいスタートを切ることができた。最初の2セットで彼(ジョコビッチ)の調子がそれほどよくないと感じたから、とにかく押し込んでいこうと心掛けた。第3セットでマッチポイントを握ったのに、僕はフォアハンドをミスしてしまった。でもそれがテニスだ」とシナーは試合後のオンコートインタビューで語った。

 グランドスラム大会での初対決だった2022年ウインブルドン準々決勝で、シナーは2セットアップからジョコビッチに逆転負けを喫した苦い思い出がある。しかし昨シーズン終盤の3試合で勝ち越していたことで得た自信は、彼が体勢を立て直す助けとなった。

「僕はとにかく次のセットに備えようと考え、第4セットでいいスタート切ることができた」

 流れが変わるかと思われたがジョコビッチの勢いは続かず、第4セット第4ゲームで40-0からサービスダウンを喫するとシナーが残りのサービスゲームをきっちりキープして一度もブレークポイントを与えないまま3時間22分で勝利を決めた。

 試合を終えたシナーは記者会見で、「彼との試合が大変なのは当たり前だけど、グランドスラム大会はまた違う。特にマッチポイントを握りながら第3セットを落としたときは厳しかった。とにかくできる限りポジティブでいようと心掛け、今日はうまくいった。本当によかったよ」と話した。

「僕はこの試合を楽しみにしていたんだ。学ぶことができる相手と試合ができるのは常に素晴らしいことだからね。僕は昨年のウインブルドン準決勝で彼に負け、そこから多くのことを学んだ。すべては(自分が成長する)プロセスの一環なんだ。昨シーズン後半に10日間で3度も彼と対戦できた僕は恵まれている。彼と一緒に練習はできても、試合とは違う。あの経験は間違いなく役に立った。とは言えグランドスラム大会はメンタル的に(他の大会と)違う」

 男子の最多記録となる10度(2008年、11~13年、15~16年、19~21年、23年)の優勝を誇る36歳のジョコビッチは2018年大会の4回戦を最後に同大会で負け知らずだったが、連勝は「33」でストップした。

「僕にとってここメルボルンでノバクに勝ったことは間違いなく大きな意味があるけど、大会はまだ終わっていない。日曜日は決勝だ。大会の規模に関係なく、決勝には独特の雰囲気があるから感情も違ってくる。今日は頭の中でこれが準決勝だとわかっていた。こんな感じで優勝する訳じゃない。だから日曜日を楽しみにしている」

 シナーは決勝で、第6シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)を5-7 3-6 7-6(4) 7-6(5) 6-3で破って勝ち上がった第3シードのダニール・メドベージェフ(ロシア)と対戦する。

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写真◎Getty Images

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