2019年ATP最優秀新人賞のシナーがついにグランドスラムの頂点へ「プレッシャーは特権」 [オーストラリアン・オープン]

写真はグランドスラム初優勝を飾ったヤニク・シナー(イタリア/最前列)(Getty Images)


 シーズン最初のグランドスラム大会「オーストラリアン・オープン」(オーストラリア・ビクトリア州メルボルン/本戦1月14~28日/ハードコート)の男子シングルス決勝で、第4シードのヤニク・シナー(イタリア)が第3シードのダニール・メドベージェフ(ロシア)に3-6 3-6 6-4 6-4 6-3で逆転勝利をおさめてグランドスラム初制覇を果たした。

 出だしから相手に主導権を握られて2セットダウンと追い込まれたシナーはお互いにブレークポイントがないまま終盤まで進んだ第3セット5-4で迎えた最初のチャンスをものにして逆転勝利に望みを繋ぎ、第4セットも最後に相手のサービスゲームを破って試合を振り出しに戻すと第5セット第6ゲームでブレークしたリードを最後まで守りきって3時間44分で歓喜の瞬間を迎えた。

 18歳だった2019年ATPアワードで最優秀新人賞に輝いてから将来を嘱望されていたシナーが、偉大な選手としての一歩を踏み出した。

「常にプレッシャーはあるけど、受け取り方次第ではいいことでもある。このようなプレッシャーを感じることができる選手はそんなに多くいないから、恵まれていると考えることができる。別の言い方をすると、人々が自分のことを本当にできると信じているということだ」とシナーは試合後の記者会見で語った。

「僕は個人的にプレッシャーの嵐の中で踊るのが好きなんだ。ほとんどの場合、そのような状況でこそ自分のベストが発揮されるからね。僕はいつもコートで楽しもうとしているから、そういう瞬間でもかなりリラックスしているんだ。正直に言って、プレッシャーは特権だと思う」

 最初の2セットを落とした決勝について、「もうちょっと違う展開を予想していた。彼(メドベージェフ)が少しアグレッシブにプレーするかもしれないとは思っていたけど、あれほどとは考えていなかった」と振り返った。

「彼は第3セットの途中まで本当にいいプレーをしていた。僕はとにかく互角に張り合って第3セットで少ないチャンスを伺い、それを何とかものにすることができた。非常に重要なゲームを取るとことで流れが変わることがあるけど、今日がそうだった」

 昨年8月にトロントでATPマスターズ1000大会で初タイトルを獲得するなど4勝を挙げたシナーは11月のATPファイナルズで準優勝を飾り、今度はついにグランドスラムの頂点に立った。

 ここ最近で目覚ましい成長を遂げている理由について、「2年前に自分の体をよりよく知り、自分のチームをより理解するようになった。これは僕にとって非常に重要なステップだった」とシナーは説明した。

「昨年は結果を求め、秋のインドアシーズンから成果を上げ始めた。いい結果を残せたから自分が世界最高の選手たちと戦えるのだと信じることができるようになったと思う。ここでも準決勝でノバク・ジョコビッチ(セルビア)、決勝でダニールを倒した訳だから、僕とチームにとって素晴らしい瞬間だ。だけどふたたび大きなトロフィーを手にするチャンスを得るためには、もっと上達しなければならないこともわかっている」

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写真◎Getty Images

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