スキアボーネ以来のイタリア人チャンピオンを目指したパオリーニは準優勝「この旅がどこに向かうのか知りたくて仕方がない」 [フレンチ・オープン]

写真は女子シングルス表彰式で準優勝プレートを受け取るジャスミン・パオリーニ(イタリア/左側)(Getty Images)


 シーズン2つ目のグランドスラム大会「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦5月26日~6月9日/クレーコート)の女子シングルス決勝で、第1シードのイガ・シフィオンテク(ポーランド)が第12シードのジャスミン・パオリーニ(イタリア)を6-2 6-1で下して3年連続4度目の優勝を飾った。

 第3ゲームで先にサービスダウンを喫した直後にラブゲームでブレークバックに成功したシフィオンテクはそこから10ゲームを連取してパオリーニを圧倒し、最初のサービング・フォー・ザ・チャンピオンシップをきっちりキープして歓喜の瞬間を迎えた。

 パオリーニも決して悪いプレーではなかったが、この大会で安定した強さを誇るシフィオンテクを脅かすには十分ではなかった。ふたりはツアーレベルでは2022年USオープン1回戦で一度対決し、シフィオンテクが6-3 6-0で勝っていた。

「私は2年前よりもいいプレーをしていると思うけど、彼女(シフィオンテク)のプレーもよくなっている。彼女はボールを早いタイミングでとらえて相手の時間を奪うけど、同時にローテーションも使っている。ディフェンスも本当にうまいし、クレーコートでの彼女はアンビリーバブルだわ。ここで既に4つのタイトルを獲っているし、まだ23歳よ。この数字は尋常じゃないし、信じられないようなものだわ」とパオリーニは試合後の記者会見で語った。

「私も最高のテニスをしようとしたけど、あの激しさでプレーするのは簡単ではない。人生でこれほどの強度でプレーする選手と対戦したことは一度もなかった。今のところキャリアでもっとも大きなチャレンジだったと思う」

 1月のオーストラリアン・オープンで4回戦に進出するまでグランドスラム大会で2回戦より先に勝ち進んだことがなかったパオリーニは、「この旅がどこに向かうのかわからないけど、それを知りたくて仕方がないわ。毎日コートで100%の力を出そうと心掛けているけど、どんな将来が待っているのかしら」と話した。

 オープン化以降でロラン・ギャロスの同種目でイタリア人選手が決勝に進出したのは2010年大会チャンピオンのフランチェスカ・スキアボーネ(イタリア)、12年大会準優勝者のサラ・エラーニ(イタリア)に続きパオリーニが3人目だった。

 2月のドバイでキャリア最大のタイトルを獲得したパオリーニは初めてトップ20入りを果たしてグランドスラム自己最高のシード順位で今大会を迎えたが、今回の快挙で大会後に更新される世界ランクで7位に浮上することが確実となった。

「決勝で負けたばかりだから、今は奇妙な感じがしている。でもこの2週間と新しいランキングを喜ばなくちゃいけないと思う」とパオリーニはコメントした。

「私にとって幸せな瞬間だわ。悲しい瞬間じゃない。物事をそういうふうに捉えようといなければならないと認めなければならない」

 エラーニとのペアで出場している女子ダブルスで勝ち残っているパオリーニには、グランドスラム初優勝の可能性がまだ残されている。第11シードのエラーニ/パオリーニは最終日の決勝で、第5シードのココ・ガウフ(アメリカ)/カテリーナ・シニアコバ(チェコ)と対戦する予定になっている。

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写真◎Getty Images

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