シーズン2つ目のグランドスラム大会「フレンチ・オープン」（フランス・パリ／本戦5月26日～6月9日／クレーコート）の男子シングルス決勝で、第3シードのカルロス・アルカラス（スペイン）が第4シードのアレクサンダー・ズベレフ（ドイツ）を6-3 2-6 5-7 6-1 6-2で倒して大会初優勝を飾った。

　キャリア2度目のグランドスラム決勝で2-5から5ゲーム連取で第3セットを奪取したズベレフはセットカウント2-1と悲願にあと1セットまで迫ったが、最後の2セットで3ゲームしか取ることができず4時間19分でアルカラスが勝利をもぎ取った。

　前回の2020年USオープンでもズベレフは2セットを連取して勝利目前まで迫ったが、ドミニク・ティーム（オーストリア）に6-2 6-4 4-6 3-6 6-7(6)で逆転負けを喫していた。

「彼（アルカラス）は素晴らしいプレーをした。第4セットと第5セットでは僕よりもいいプレーをしていた。そういうものだ。今回のグランドスラム決勝で、僕はできることをすべてやったと感じた。（2020年）USオープンでは自分から試合を手放したようなところがあったけど、今回は少し違う」とズベレフは試合を振り返った。

「僕たちは2人ともフィジカル的に強いけど、彼は野獣だ。彼のプレー強度は他の選手たちとは違う。彼は本当にいろんなことができる。彼は第5セットで戦術を大きく変えてきたと思う。より高くより深くショットを打ってきたせいで僕はそれまでよりパワーを発揮することができなくなった。コートが日陰になって遅くなったこともある」

　第4セットと第5セットでエネルギーレベルが落ちたことについて、「集中力がなくなり、サービスのときに脚のパワーを使うことができていなかった。ケイレンもしていないしいつもなら疲れたりしないのに、奇妙な感じだ」とズベレフは説明した。

「でもやはりカルロスのプレー強度は他の選手と違うから、もしかしたらそのせいなのかもしれない。準備の仕方やフィジカルに関して見直す必要があるのかもね」

　ズベレフは前哨戦のローマで2年前の同大会で負った大ケガから復帰後初めてATPマスターズ1000大会のタイトルを獲得して今大会を迎えていたが、アルカラスによって連勝は「12」でストップした。