クレイチコバが1998年に勝った恩師ノボトナに続いてウインブルドンで優勝「彼女のドアをノックした日に人生が変わった」

写真は新女王に輝いたバーボラ・クレイチコバ(チェコ)(Getty Images)


 今年3つ目のグランドスラム大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦7月1~14日/グラスコート)の女子シングルス準決勝で、第31シードのバーボラ・クレイチコバ(チェコ)が第7シードのジャスミン・パオリーニ(イタリア)を6-2 2-6 6-4で倒して新チャンピオンに輝いた。

 2度ずつブレークし合ってセットを分け合ったあと第3セット3-3からクレイチコバが相手のサービスゲームを破り、5-4からのサービスゲームで2つのブレークポイントを凌いだ末に3度目のチャンピオンシップポイントをものにして1時間56分で勝利を決めた。

 体調不良や背中のケガに苦しんだクレイチコバは約2ヵ月の戦線離脱を余儀なくされ、今季7勝9敗の戦績で今大会を迎えていた。

「言葉が出てこない。今起こっていることが信じられない。テニス選手としてのキャリア、そして人生で最高の日だわ。この瞬間に私が感じていることを説明するのは難しい」とクレイチコバは表彰式で行われたオンコートインタビューで語った。

「凄く難しい試合だった。勇気を出せと自分に言い聞かせていた。最後はラッキーだったけど、最後のポイントまで勝てかわからなかった。ウインブルドンの優勝者としてここに立っていることが未だに信じられない」

 クレイチコバが四大大会の同種目でタイトルを獲得したのは、単複2冠を達成した2021年フレンチ・オープン以来でキャリア2度目となる。ダブルスでも実績のあるクレイチコバは、カテリーナ・シニアコバ(チェコ)とのコンビで2018年と22年のウインブルドンを含む7勝を挙げている。

 シニアコバと組んで2021年に東京オリンピックの女子ダブルスで金メダルを獲得しているクレイチコバはグランドスラム決勝の舞台で12勝1敗(シングルス2勝0敗、女子ダブルス7勝1敗、ミックスダブルス3勝0敗)の戦績を誇っており、ダブルスでの経験がシングルスにも生かされていると話した。

 ウインブルドンの同種目で優勝したチェコ人選手はヤナ・ノボトナ(チェコ)、ペトラ・クビトバ(チェコ)、マルケタ・ボンドルソバ(チェコ)に続きクレイチコバがオープン化以降4人目となる。1998年大会女王のノボトナは2014年からクレイチコバを指導していたが、17年に癌のため49歳で他界した。

 準決勝で2022年大会チャンピオンで第4シードのエレーナ・ルバキナ(カザフスタン)を3-6 6-3 6-4で破ったあとに涙を浮かべながら「彼女(ノボトナ)が私を誇りに思ってくれていることを願う」と話したクレイチコバは、「彼女のドアをノックした日に人生が変わった。彼女が1998年に手にしたのと同じトロフィーを自分が獲得するなんて夢にも思っていなかった」と恩師を偲んだ。

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写真◎Getty Images

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