前年覇者ジョコビッチが3回戦でポプリンに初黒星「本当に酷い試合をした」 [USオープン]

写真は7年ぶりにグランドスラム無冠に終わったノバク・ジョコビッチ(セルビア)(Getty Images)


 シーズン最後のグランドスラム大会「USオープン」(アメリカ・ニューヨーク/本戦8月26日~9月8日/ハードコート)の男子シングルス3回戦で、タイトル防衛を目指していた第2シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)が第28シードのアレクセイ・ポプリン(オーストラリア)に4-6 4-6 6-2 4-6で敗れる番狂わせが起きた。

 2セットダウンから第3セットを取り返したジョコビッチは第4セット序盤のチャンスを生かせず先にサービスダウンを喫するとブレークポイントを悉く凌がれて2-5と追い込まれ、ポプリンがひとつブレークを返されたあと2度目のサービング・フォー・ザ・マッチをラブゲームでキープして3時間19分でキャリア最大の勝利をもぎ取った。

 ふたりは今季のグランドスラム大会で2度(全豪2回戦、ウインブルドン3回戦)対決し、ジョコビッチが2試合とも苦戦を強いられながらも4セットで勝っていた。

 初のグランドスラム16強入りを決めたポプリンは次のラウンドで、第13シードのベン・シェルトン(アメリカ)との地元勢対決を4-6 7-5 6-7(5) 6-4 6-3で制して勝ち上がった第20シードのフランシス・ティアフォー(アメリカ)と対戦する。

 前日にはパリ五輪でジョコビッチと決勝を戦った第3シードのカルロス・アルカラス(スペイン)が2回戦で敗れており、アーサー・アッシュ・スタジアムのナイトセッションで波乱が続いた。

 今シーズンのジョコビッチはパリ五輪で金メダルを獲得して『生涯ゴールデンスラム(四大大会全制覇+オリンピックの金メダル)』を達成したが、右肘のケガに悩まされていた2017年シーズン以来となるグランドスラム無冠に終わった。

「彼(ポプリン)と彼のチームを祝福したい。彼は間違いなく僕よりもいいプレーし、今日の勝利に値した」とジョコビッチは試合後の記者会見で語った。

「僕のほうは正直に言って、今大会で初めから感じていた感覚とプレーぶりを考えると3回戦進出は成功だった。今までで最悪と言っていいくらいのテニスをしてしまった。サービスに関しては正にキャリア最悪だった」

 ジョコビッチは今大会でプレーした3試合で合計32本ものダブルフォールトを犯し、ポプリンに対する14本はグランドスラム大会での自己ワースト記録となる。

「ファーストサーブの確率が非常に低く、ダブルフォールトが多い。フリーポイントが取れるサービスがなかったら、このように速いサーフェスで勝つことはできない。特にアレクセイのように調子がいい選手には勝てない。彼は強力なサービスでプレッシャーをかけてくる。僕は本当に酷い試合をした」

 パリ五輪で全力を尽くしたジョコビッチは、USオープンを前にハードコートの前哨戦でプレーしない選択をした。

「サーフェスが違うからもちろん影響はあった。(パリ五輪で)金メダルを獲るために膨大なエネルギーを費やしたし、メンタル的にもフィジカル的にもフレッシュな状態でニューヨークに来た訳ではなかった」とジョコビッチは明かした。

「でもUSオープンだからトライし、ベストを尽くそうとした。フィジカルの問題はなかった。プレーを観ればわかるように、ただガス欠のような感じだった」

「広い視野で見ればもちろん満足しなければならないけど、今は難しい。負けたことと自分のプレーぶりに腹を立て、混乱している。でもまあ、くよくよしても始まらない。次に何をすべきか考えるよ」

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写真◎Getty Images

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