ナダルが13回目のロラン・ギャロス優勝まであと一歩 [フレンチ・オープン]

今年最後のグランドスラム「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦9月27日~10月11日/クレーコート)の本戦13日目は、男子シングルスと女子ダブルスの準決勝などが行われた。
 
 新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックにより延期されたフレンチ・オープンが何故ラファエル・ナダル(スペイン)にとってより難しいか――気温が低い秋の気候、重めのテニスボール、準備試合の不足――について彼自身や他の者たちが色々と議論を重ねたが、『キング・オブ・クレー(クレーの王者)』は通常の場所に最短距離で戻ってきた。そう、決勝の舞台に。

 そして今回、ロラン・ギャロスでの計り知れない13回目の優勝に加え、ナダルはグランドスラムで20勝目となるタイトルを獲ってロジャー・フェデラー(スイス)と並ぶチャンスを手にしている。

 15年に渡って支配してきたこのクレーコート大会で数えきれないほど多くの相手にやってきたことを最新の対戦相手に対して行い、ナダルは骨の折れるへとへとになるようなポイントで溢れていた準決勝で第12シードのディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)を6-3 6-3 7-6(0)で退けた。

 何年もの間そうだったように、ナダルは人々が話す分にはいいが自分は目の前の任務にのみ集中していると言ってフェデラーとグランドスラムのタイトル数で並ぶという考えに言葉を向けたがらなかった。

「僕は今、今年もっとも重要な大会をプレーしている。それが僕にモチベーションを与えているものなんだ」とナダルは言い張った。

 大会最終日の日曜日、第2シードのナダルは第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)と対戦する。ジョコビッチはふたつ目の準決勝で、第5シードのステファノス・チチパス(ギリシャ)に6-3 6-2 5-7 4-6 6-1で競り勝った。

フレンチ・オープン2020|トーナメント表

 3度目の4連覇を目指すナダルは準決勝と決勝での25戦全勝を含め、今大会での戦績を99勝2敗とした。34歳のナダルはパリで2005年から2008年にも4連覇、また2010年から2014年には5連覇を成し遂げている。そしてこれ以外にもUSオープンで4勝、ウインブルドンで2勝、オーストラリアン・オープンでも1勝を挙げている。

 非常に多くの理由から例年とは大きく違う今年の大会が何故ナダルにとって違ったものになるかもしれないのかについての説明であるはずのものをあざ笑うかのように、ナダルはここ2週間でプレーした18セットのすべてを取っている。

 今年のナダルは例年のようにはいかないと考えた者の根拠のひとつは、5~6月から9~10月への期間変更に関わるものだ。他の理由付けはUSオープンをスキップするというナダルの決断で、そのせいで彼はパンデミックによる休止を経て8月にツアーが再開してからロラン・ギャロスまでに3試合しかプレーできていないことだった。

 もうひとつの疑念には、シュワルツマンが関与していた。28歳のシュワルツマンは先月行なわれたクレーコートの前哨戦であるイタリア国際で、ナダルにストレート勝ちしていたのだ。しかしそれでも彼らの対戦績は9勝1敗とナダルが断然有利であり、彼は金曜日の試合でその理由を示して見せた。

「彼は上達した」とシュワルツマンはここ最近のナダルとの2回の対戦と比較して言った。「そして僕のプレーは、前回よりもよくなかった」。

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