19歳メンシクがATPマスターズ1000の大舞台でツアー初優勝の快挙「決勝の相手がノバクだけにより一層特別」 [マイアミ・オープン]

写真は試合後に握手を交わすヤクブ・メンシク(チェコ/左)とノバク・ジョコビッチ(セルビア)(Getty Images)


 ATPツアー公式戦「マイアミ・オープン」(ATP1000/アメリカ・フロリダ州マイアミ/3月19~30日/賞金総額1125万5360ドル/ハードコート)の男子シングルス決勝で19歳のヤクブ・メンシク(チェコ)が第4シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)に7-6(4) 7-6(4)で競り勝ち、ATPマスターズ1000の大舞台でツアー初タイトルを獲得した。

 2024年ATPアワードで最優秀新人賞に選ばれたメンシクがATPツアーの同種目で決勝に進出したのは、昨年2月のドーハ以来でキャリア2度目だった。

 3-0から3-3に追いつかれたメンシクはタイブレークの末に第1セットを先取し、すべてサービスキープでふたたびもつれ込んだタイブレークで迎えた3度目のチャピオンシップポイントをものにして2時間3分で歓喜の瞬間を迎えた。

 試合は雨により6時間ほど遅れて始まったが、メンシクはメンタル的に乱れることなく重要な瞬間に目覚ましいパフォーマンスを発揮して栄冠に輝いた。

「正直なところ、何と言ったらいいのかわからない。もちろん信じられないような気分だ」とメンシクは試合後のオンコートインタビューで語った。

「恐らく人生最大の日だった。試合前に怯むことなく冷静さを保ち、素晴らしいパフォーマンスを発揮できて本当にうれしい。とにかく凄く幸せだし、いろんな感情があとから湧いてくると思う」

 同大会でアンドレ・アガシ(アメリカ)と並ぶ男子の最多記録となる6度(2007年、11~12年、14~16年)チャンピオンに輝いた実績を持つ37歳のジョコビッチは、ツアーレベル(パリ五輪を含む)で通算100回目の優勝を目指していた。

「これはヤクブのための瞬間だ。彼のチームや家族のためでもある。おめでとう。信じられないような大会だった」とジョコビッチは表彰式のスピーチで勝者を称えた。

「僕にとって認めるのは辛いことだけど、今日は君のほうが上だった。重要な場面で信じられないようなサービスで結果を出し、難しい瞬間でもメンタル的に揺るがなかった」

 ふたりは昨年10月に上海の準々決勝で一度顔を合わせており、ジョコビッチが6-7(4) 6-1 6-4で勝っていた。両者は18歳離れており、ATPマスターズ1000大会では年齢差が最大の決勝となった。

「僕は彼(ジョコビッチ)を観て育ったし、彼に憧れてテニスを始めたんだ。だから彼とふたたび対戦する機会を得ただけでも素晴らしいことなのに、決勝で彼を倒すことができるなんて…」とメンシクは試合後の記者会見で明かした。

「ATPツアーで優勝するのが夢だったけど、マスターズ1000の大会で実現することができるなんて期待以上だ。決勝の相手がノバクだけに、より一層特別なものになったよ」

 前日に行われたダブルス決勝では第1シードのマルセロ・アレバロ(エルサルバドル)/マテ・パビッチ(クロアチア)が第6シードのジュリアン・キャッシュ/ロイド・グラスプール(ともにイギリス)を7-6(3) 6-3で退け、同種目では史上6組目となる『サンシャイン・ダブル(インディアンウェルズとマイアミの連続優勝)』を達成した。

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写真◎Getty Images

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