パリでケニンが今年2度目のグランドスラム制覇、シフィオンテクはキャリア初を目指す [フレンチ・オープン]

 ここ2週間、驚きに溢れていたドローを潜り抜けたシフィオンテクの進撃はこの上なく印象的だった。

 新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックによりフレンチ・オープンが通常の5~6月から9~10月に延期された中、秋の肌寒く雨の多い環境や騒々しい観客の欠如(上限は1日1000人となった)に加えて試合不足(女子ツアーは約5ヵ月の休止後、8月にようやく再開した)が他の選手たちを煩わせていたとしても、これらの要素はシフィオンテクにとって重要性のないことだった。

 彼女はここまで1セットも落としていないだけでなく――2007年のジュスティーヌ・エナン(ベルギー)以来、パリでセットを落とさないまま優勝した選手はいない――、6人の対戦相手に12セットでわずか23ゲームしか許していないのだ。

 その一方的な結果には、2018年優勝者で第1シードのシモナ・ハレプ(ルーマニア)と前年の準優勝者で第15シードのマルケタ・ボンドルソバ(チェコ)に対する6-1 6-2の勝利、また2014年ウインブルドン準優勝者のユージェニー・ブシャール(カナダ)を6-3 6-2で倒した試合も含まれている。

「私がこれほど効率よく勝っているのには、理由があるのよ。私は本当に、“超”集中した状態を保っているの」とスポーツ心理学の指導を受けているシフィオンテクは明かした。

「私は対戦相手にベストテニスをプレーさせないようにしているの。土曜日にもそうすることができるよう願っているわ」

 そして彼女は若い。つい最近、高校を終えたばかりなのだ。シフィオンテクは勉強を続けるか、プロテニスの活動に専念するか考えなければならないという。

「たった今の状況じゃ、勉学に戻ると決断するのは難しくなりそうね。何故って本当に大きなことを成し遂げられると感じているから、私はただそれに集中したいの」とシフィオンテクはコメントした。

「でも実際には私はまだ19歳だから、数年の間に多くのことが変わる可能性があるわ。もしかしたら、私は知識を得ることにハングリーになるかもしれないしね」(APライター◎ハワード・フェンドリック/構成◎テニスマガジン)

※写真はソフィア・ケニン(アメリカ/右)とイガ・シフィオンテク(ポーランド)(Getty Images)

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