母として復帰後初めてグランドスラム大会で快進撃の元世界ナンバーワン大坂がUSオープン準決勝へ「自分は置いていかれているような気持ちもあったけど…」
シーズン最後のグランドスラム大会「USオープン」(アメリカ・ニューヨーク/本戦8月24日~9月7日/ハードコート)の女子シングルス準々決勝で、第23シードの大坂なおみ(フリー)が第11シードのカロリーナ・ムチョバ(チェコ)を6-4 7-6(3)で振りきりベスト4進出を果たした。
グランドスラム本戦プレーするのが31回目となる大坂が同ラウンドを突破したのは、優勝した2021年オーストラリアン・オープン以来で5度目だが、過去4度はすべてそのまま大会を制している。
5-4から初のブレークに成功して第1セットを先取した大坂は第2セット第1ゲームと第9ゲームでサービスダウンを喫した直後にその都度追いつき、もつれ込んだタイブレークで迎えた2度目のマッチポイントをものにして1時間49分で勝利を決めた。
ムチョバは昨年の同大会2回戦で大坂を6-3 7-6(5)で倒していたが、1月のオーストラリアン・オープン2回戦では大坂が1-6 6-1 6-3で勝っていた。
過去2年連続で4強入りしていた29歳のムチョバはここまですべてフルセットマッチを勝ち抜き、4試合で合計10時間以上を戦った末に準々決勝に辿り着いていた。
「信じられないほど難しい試合だった。彼女(ムチョバ)は世界最高の選手のひとりで、いつも苦戦を強いられる。去年は彼女に負けたけど、お気に入りのウェアを着ていたから凄く悔しかったの」と大坂は試合後のオンコートインタビューで語った。
「ここにいることができて本当に感謝している。私は観客席に座って試合を観ながら、またこのコートでプレーする機会があればいいなと思っていた。夢が叶ったわ」
夏の北米ハードコートシーズン2大会でプレーした大坂は、WTA1000シリーズのモントリオールで準優勝を飾るなど7勝2敗の戦績を残した。
元世界ナンバーワンの大坂は産休から復帰後にかつてのような大きな結果を残せていなかったが、ここにきて完全復活の兆しを見せている。
「ツアーにいるすべてのママたちから本当に刺激を受けている。でも自分は置いていかれているような気持ちもあった。ママになって戻ってきた選手たちが復帰していきなり結果を出したときは何だか自分がおかしいような気がしていたの」と大坂は試合後に打ち明けた。
「そういう気持ちがずっとあったけど、今は肩の荷が下りたように感じている」
2018年&20年大会チャンピオンの大坂は次のラウンドで、第2シードのイガ・シフィオンテク(ポーランド)を6-4 6-3で破って勝ち上がった第8シードのアマンダ・アニシモワ(アメリカ)と対戦する。
ふたりは2022年にオーストラリアン・オープン3回戦(4-6 6-3 7-6(10-5))とフレンチ・オープン1回戦(7-5 6-4)で顔を合わせ、いずれもアニシモワが勝っている。
「間違いなく相当厳しい戦いになるでしょうね。彼女(アニシモワ)とは2回対戦したけど、どちらも負けてしまった。彼女はとても才能があり、どこからでもウィナーを決めることができる」と大坂は次戦を見据えた。
「だから厳しい戦いになるのはわかっているし、人柄も凄く好きだから応援しているの。もちろん自分と対戦する彼女を応援はしないけど、楽しい試合になると思う」
写真◎Getty Images
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