限界まで追い込まれたジョコビッチが勝利への道を見出す [イタリア国際]

ATPツアー公式戦の「BNLイタリア国際」(ATP1000/イタリア・ローマ/9月14~21日/賞金総額385万4000ユーロ/クレーコート)の男子シングルス3回戦の第1セットで第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)は同胞のフィリップ・クライノビッチ(セルビア)にあまりに激しく追い詰められたため、緊急にどこかに座って息をつく必要に迫られた。

 5-5でチェンジコートできるタイミングではなかったため、彼はコート後方のタオルを置くボックスの上にドスンと腰かけた。

 1時間28分後にジョコビッチがついに第1セットを終わらせたが、最終的に7-6(7) 6-3で勝利をおさめて14年連続となる準々決勝進出を決めるにはさらに一仕事が必要だった。

「素晴らしい戦いだった」とジョコビッチは振り返った。彼はここで、USオープンで失格となって以来の大会をプレーしている。「間違いなく、僕がプレーした中でもっとも長いセットのひとつだよ。かなりの競り合いで、どちらに転んでもおかしくなかった」。

 このセットがいかに競っていたかは、双方が同じ数のポイント――61――を取っていたことからも伺い知れる。ジョコビッチがそのセットと終わらせるには、5本のセットポイントが必要だった。

 センタコートの気温が32度に至った中、競り合いは一層過酷になった。ジョコビッチは「第1セットでの僕たちはふたりとも、フィジカル的に苦しんでいた」と明かした。

 第2セットでは、日陰がコートを横切った。

「おかげで、少し楽になったよ」とジョコビッチはコメントした。「でも僕は、この第1セットについて非常に満足している。いくつかの長いラリーがあった。クレーコートのテニスとはそういうものだ」。

 今大会で4度タイトルを獲得しているジョコビッチは準々決勝で、予選勝者のドミニク・コプファー(ドイツ)と対戦する。コプファーはこの日、予選から勝ち上がってきた18歳のロレンツォ・ムゼッティ(イタリア)を6-4 6-0で退けた。

BNLイタリア国際2020|PHOTOアルバム

 ローマで9度の優勝経験を持つ第2シードのラファエル・ナダル(スペイン)は夜のより涼しいコンディションの中で、それほどの抵抗を受けることもなくドゥサン・ラヨビッチ(セルビア)を6-1 6-3で一蹴した。彼は次のラウンドで、ホベルト・ホルカシュ(ポーランド)を3-6 6-2 6-4で破って勝ち上がった第8シードのディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)と対戦する。

 これは新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックの中で渡航することへの懸念からUSオープンをスキップしたナダルにとって、約7ヵ月ぶりの公式戦となる。

 また第15シードのグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)はヤニク・シンネル(イタリア)を4-6 6-4 6-4で下し、ワイルドカード(主催者推薦枠)で出場した19歳の進撃を終わらせた。2回戦で第3シードのステファノス・チチパス(ギリシャ)に対して番狂わせを演じていたシンネルは、ディミトロフの5度目のマッチポイントで簡単なスマッシュをミスしてしまった。

「このような敗戦は辛い。でもそこからポジティブな部分を見つけるように努力するよ」とシンネルは悔しさを滲ませた。「あれは僕が望んでいた終わり方ではなかった」

 ディミトロフの準々決勝の相手は、第12シードのデニス・シャポバロフ(カナダ)に決まった。シャポバロフはユーゴ・アンベール(フランス)に対し、6-7(5) 6-1 6-4で挽回勝ちをおさめた。

 パワフルなサービスを武器とするローマ出身のマッテオ・ベレッティーニ(イタリア)は、ワイルドカードで出場したステファノ・トラバリア(イタリア)との同胞対決を7-6(5) 7-6(1)で制した。昨年のUSオープンでベスト4だった第4シードのベレッティーニは、次のラウンドでキャスパー・ルード(ノルウェー)と対戦する。ルードはこの日、マリン・チリッチ(クロアチア)を6-2 7-6(6)で倒した。

 パンデミックのために大会はここまで無観客で試合を行ってきたが、準決勝と決勝では上限1000人までの観客を許可するとイタリアのスポーツ大臣が金曜日に発表した。

「大会途中で、というのは少し驚きだ」とディミトロフは語った。「でも僕たちがコントロールできることはたくさんあるし、ただ同意してやっていかなければならないこともいくつかある」。

「僕は最初から観客がいたほうがよかったよ」とベレッティーニは話した。「でも1000人はそう少なくないから、彼らは声援を聞かせてくれることだろう」。(APライター◎アンドリュー・ダンプ/構成◎テニスマガジン)

※写真はノバク・ジョコビッチ(セルビア)
ROME, ITALY - SEPTEMBER 18: Novak Djokovic of Serbia stretches to play a backhand in his round three match against Filip Krajinovic of Serbia during day five of the Internazionali BNL d'Italia at Foro Italico on September 18, 2020 in Rome, Italy. (Photo by Clive Brunskill/Getty Images)

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