21歳ノスコバがグランドスラム初優勝、2年前の大会直前に亡くした母へ感謝「普段は泣かないんだけど…」 [ウインブルドン]

写真はグランドスラム初優勝を飾ったリンダ・ノスコバ(チェコ)(Getty Images)


 今年3つ目のグランドスラム大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦6月29日~7月12日/グラスコート)の女子シングルス決勝で、第9シードのリンダ・ノスコバ(チェコ)が自国の先輩で第10シードのカロリーナ・ムチョバ(チェコ)を6-2 5-7 6-3で振りきり四大大会初優勝を飾った。

 相手のサービスゲームを2度破って第1セットを先取したノスコバは5-2から試合を決めるチャンスを合計5度逃した末に第2セットを取り返されたが、第3セットで3-0としたリードを今後は守って最終的に通算6度目のチャンピオンシップポイントをものにして2時間28分で歓喜の瞬間を迎えた。

 フレンチ・オープンで2回戦敗退に終わった21歳のノスコバはグラスコートの前哨戦2大会でプレーし、WTA500のベルリンで2024年8月以来のツアー2勝目を挙げていた。

 2024年のパリ五輪で女子ダブルスのペアを組んだふたりはツアーレベルで昨年9月にUSオープンの3回戦で一度対決しており、先輩のムチョバが6-7(5) 6-4 6-2で勝っていた。

 第2セット終了後に大歓声が上がったが、ノスコバはそれを遮るように耳を塞ぎながらベンチに戻るとトイレ休憩でコートを離れた。

 前日にコーチから時間が必要ならコートを出て自分と少し向き合うように言われていたノスコバは、「最初からやり直しだと自分に言い聞かせていた。トイレに行って冷たい水をかけ、気持ちを切り替えた」とターニングポイントを振り返った。

「本当に助けになったのはコートに戻ったときにトロフィーが見えたことだった。小さいのではなく大きいほうが欲しいと思ったの。第3セットはどんな結果になっても全身全霊で臨むつもりだった。もう一度自分自身に集中し始め、それが重要なポイントだった」

 4年連続出場となるウインブルドンで昨年のベスト16が最高成績だったノスコバは2024年に2回戦で敗れたが、そのとき大会直前に癌との長い闘病生活を送っていた母を亡くしていた。

 ノスコバは表彰式のスピーチで「母に感謝している。母がいなければ私はここに立っていなかったでしょう。本当にありがとう」と言って空を見上げてキスを送り、感極まって言葉を詰まらせた。

「普段は泣かないんだけど、こんな風に泣くなんて私らしくない。この2週間は本当に楽しかった。悲しい涙やうれし涙、流した血と汗がすべて報われた。この2週間は絶対に忘れない」

 ケガに苦しむキャリアを送ってきた29歳のムチョバは2月のWTA1000ドーハでキャリア最大のタイトルを獲得したあと大会前週のWTA500バート ホンブルクで今季2勝目を挙げていたが、キャリア最長の連勝は「10」でストップした。

 グランドスラム本戦プレーするのが28回目だったムチョバが同ラウンドで戦ったのは2023年フレンチ・オープン以来でキャリア2度目だったが、前回はイガ・シフィオンテク(ポーランド)に2-6 7-5 4-6で惜敗していた。

 この結果でふたりはともに大会後に更新される世界ランクで自己最高を更新することが確定し、ムチョバが6位でノスコバは7位に浮上する見込みとなっている。

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写真◎Getty Images

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