第76回全国高等学校対抗テニス大会および第109回全国高等学校テニス選手権大会（南部九州インターハイ テニス競技／8月2～4日団体戦、5～8日個人戦／KIRISHIMAヤマザクラ宮崎県総合運動公園、宮崎市生目の杜運動公園）の大会2日目は、男女団体の3回戦、準々決勝が行われ、ベスト4が決定した。

　四日市工（三重）は3回戦で岩手を2勝0敗で下し、準々決勝で敦賀気比（福井）と激突。シングルス2とダブルスで星を分け合い、勝敗の行方はエース対決にかかる。これを副田温斗がファイナルタイブレークの激闘の末に制し、四日市工の4強進出が決まった。

　最終セットは一進一退の攻防だった。「最後はみんなの気持ちを乗せて戦った」と副田。敦賀気比の片山楓の強打に苦しめられたが、「負けるわけにはいかなかった」と粘り強く戦った。炎天下の中、副田の勝利への執念が上回った。敦賀気比は春に続いてのベスト8に終わったが、春に比べてチーム力は格段にレベルアップしていた。

　柳川（福岡）と大分舞鶴（大分）の準々決勝も、1勝1敗からエース対決に勝利がかかった。九州地区大会決勝の再現となったが、勝ったのは今度もまた柳川。最後は小川智裕が2-6 7-5 6-2の逆転勝利でチームを4強へと導いた。

「最終セットは自分の力を出しきれた」と小川が言う。自分の力を信じ、仲間の応援を勇気に変えた。「あまり憶えていません」と苦笑もしたが、第2セットを接戦の末に奪い返したことで勢いに乗った。大分舞鶴の野田成祐は「第2セットで終わらせなければいけなかった」と肩を落とした。

　湘南工大附（神奈川）は3回戦で東海大菅生（東京）、準々決勝で名経大市邨（愛知）を2勝0敗で下した。2年生エースのS1鈴木久統は準々決勝で両足ケイレンに襲われながら勝利。「自分が勝たないといけないと思った」と気持ちの強さを見せ、春の選抜個人戦に優勝した影山太星を7-6(6) 6-3で倒した。

　春の選抜は準優勝に終わり、メンバー全員が夏こそ優勝と意気込んでいる。しぶといプレーが持ち味のS2望月滉太郎は、ウインブルドン・ジュニアで優勝した望月慎太郎の実兄。6年ぶり5度目の優勝に向け、チームが一丸となってつかんだ4強入りだ。

　ベスト4に一番乗りを決めたのは、近畿地区王者の相生学院（兵庫）だった。3回戦で松商学園（長野）、準々決勝で鳳凰（鹿児島）を2勝0敗のストレートで沈め、2年ぶりのベスト4進出を決めた。　

　高畑里玖と東竜平のシングルス2本は昨年と同じで、ダブルスに中村空河／清原幹太と盤石の布陣。控えの金成練を含め、5人全員が春の優勝メンバーだ。「みんな非常に集中して戦うことができている」と澁谷竜矢監督。春夏連覇に向けて力強く勝ち上がり、あと2勝に迫った。

　優勝経験のある上位シード4校が4強に残り、明日の準決勝のカードは、相生学院対柳川、湘南工大附対四日市工となった。準決勝は9時からスタートし、そのあと決勝が行われ、今年の団体日本一が決まる。

（編集部◎牧野 正）（写真◎小山真司）

※トップ写真は、チームのベスト4進出を決めた瞬間の副田（四日市工）