大坂がブレイディを倒してタイトル奪還に王手「大きな意味を持つ」 [USオープン]
今年ふたつ目となるグランドスラム「USオープン」(アメリカ・ニューヨーク/本戦8月31日~9月13日/ハードコート)の女子シングルス準決勝で、第4シードの大坂なおみ(日清食品)が第28シードのジェニファー・ブレイディ(アメリカ)を7-6(1) 3-6 6-3で振りきり、2年ぶりの女王の座奪還に王手をかけたした。
大坂は2018年決勝でセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)を倒したときと同じコートでの質の高い準決勝を、左腿にテーピングを施してプレーしていた。
「私にとって、本当に大きな意味を持つわ。私はニューヨークを自分の第二の故郷と考えているの」と大坂はコメントした。彼女は日本で生まれ、まだ小さな子供だった頃にアメリカに移住した。
「たとえ観客がいなくとも、私はここの雰囲気が大好きよ。このコートは私に合っていると感じているわ」
この会場のコートは、双方のプレーヤーに合っているようだ。大坂は時速193kmのサービスを放ち、ブレイディも最高で時速188kmに至った。そしてひとたびラリーが始まれば、ふたりは特にフォアサイドからパワフルなショットを叩き込んだ。
「私は辛抱強く食らいついていた感じだったわ。お互いにサービスキープをし合っていた」と大坂は振り返った。「私は第3セットで彼女のサーブへの対処に少し調整を加え、それが上手くいったかもしれないわね」。
ふたりは合計70本のウィナー――35本ずつだった――を決めた一方でアンフォーストエラーは42本に抑えており、お互いに素晴らしいパフォーマンスを見せていた。そして1時間45分ほど経ったころ、ちょっとした運が勝敗を分けた。
第3セット2-1で大坂はようやく最初のブレークポイントを掴んだが、それはバックハンドからのショットがネットのテープに当たって向こう側に落ちたことで訪れた。
そして彼女はブレイディの時速177kmのサーブを深くリターンし、そのチャンスを見事にものにした。ブレイディのバックハンドはアウトとコールされた――テレビのリプレーではそれがベースラインの端にかかっていたかもしれないように見えた――が、ブレイディは判定にチャレンジしなかった。
この試合が行われたアーサー・アッシュ・スタジアムは、今年の大会で2つだけある線審がジャッジするコートのひとつだった。新型コロナウイルス(COVID-19)への対応策として会場にいる人間の数を減らすため、大会は他のコートではエレクトリック・ラインコールを使用していた。
土曜日に行われる決勝で、大坂は元世界ランク1位のビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)と対戦する。アザレンカはこのあとに行われた準決勝で、第3シードのセレナを1-6 6-3 6-3で倒して7年ぶり3度目の決勝進出を決めた。
これはともに世界ランク1位になったことのある元グランドスラム優勝者同士の対決だ。このふたりはパンデミックによる中断期間を経て先月からツアーが再開されて以来、もっとも調子のよい選手たちでもある。
2週間前にUSオープンと同じ会場で行われた前哨戦のウェスタン&サザン・オープン決勝でふたりは対戦するはずだったが、大坂が左ハムストリングの故障で棄権したため実現していなかった。(APライター◎ハワード・フェンドリック/構成◎テニスマガジン)
※写真は大坂なおみ(日清食品)
NEW YORK, NEW YORK - SEPTEMBER 10: Naomi Osaka of Japan smiles winning her Women's Singles semifinal match against Jennifer Brady of the United States on Day Eleven of the 2020 US Open at the USTA Billie Jean King National Tennis Center on September 10, 2020 in the Queens borough of New York City. (Photo by Al Bello/Getty Images)
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