19歳シフィオンテクが女子決勝に進出したもっともランキングの低い選手に [フレンチ・オープン]

今年最後のグランドスラム「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦9月27日~10月11日/クレーコート)の本戦12日目は、女子シングルスと男子ダブルスの準決勝などが行われた。
 
 イガ・シフィオンテク(ポーランド)はまだ19歳だ。彼女は世界ランク54位で、ツアーレベルの大会で優勝したことは1度もない。彼女はここまで出場したグランドスラム6大会で、1度も4回戦を超えたことがなかった。そして彼女はここまでのところ、これ以上は無理というくらい圧倒的な強さを見せている。

 ポーランドのシフィオンテクは1975年にWTAコンピューターランキングが始まって以来、ロラン・ギャロスの同種目でもっともランキングの低い決勝進出者となった。彼女は木曜日、予選から勝ち上がってきたナディア・ポドロスカ(アルゼンチン)を6-2 6-1で下して決勝に駒を進めた。これは彼女にとって、最新の一方的勝利だった。

「非現実的に思えるわ。自分が素晴らしいテニスをプレーできることは分かっていた。でもその一方で、驚きでもある。自分が決勝に進出するなんて、考えてもいなかった。クレイジーだわ」とシフィオンテクはコメントした。「私はただ、自分を信じ続けていたの。私にとって、素晴らしいことよ」。

フレンチ・オープン2020|トーナメント表

 今大会でのシフィオンテクはプレーした12セットのすべてを取り、ここまでの6試合を通してわずか23ゲームしか落としていない。

 その70分の圧倒的試合が終わったとき、 シフィオンテクはフィリップ・シャトリエ・コートの数百人の観客の前で――新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックのため、観客は1日1000人までとなっている――耳の後ろに手を当ててもっと大きな歓声を促した。

 土曜日の決勝で、シフィオンテクはすでに今年のオーストラリアン・オープンでグランドスラム初タイトルを獲得しているソフィア・ケニン(アメリカ)と対戦する。第4シードのケニンはこの日ふたつ目の準決勝で、第7シードのペトラ・クビトバ(チェコ)を6-4 7-5で退けた。

「(決勝で)私はアンダードッグだわ」とシフィオンテクは話した。コートに出ていく前、彼女はガンズ・アンド・ローゼズの『ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル』をヘッドフォンで聴いているのだという。

 この日のシフィオンテクとポドロスカの試合は、今大会で1983年以来となるノーシード同士の準決勝だった。そして本当の意味でこの舞台を戦う準備ができているように見えたのは、うちひとりだけ――シフィオンテクのみだった。

 世界ランク131位のポドロスカは今大会まで一度もグランドスラム大会本戦で勝ったことがなく、プロ化以降の時代でパリのベスト4に進出した初の予選勝者だった。

 この偉業がシフィオンテクにとって“まぐれ当たり”だと考える方がいる場合に備え、念のため確認しておこう。彼女は2018年優勝者で第1シードのシモナ・ハレプ(ルーマニア)を4回戦で6-1 6-2で圧倒し、1回戦では前年の準優勝者で第15シードのマルケタ・ボンドルソバ(チェコ)を同じスコアで一蹴していたのである。

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