『プロレベルの基準を満たしていなかった』として大会主催者がトミックに罰金 [ウインブルドン]
今年3大会目のグランドスラム「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦7月1~14日/グラスコート)の男子シングルス1回戦で敗れたバーナード・トミック(オーストラリア)が、『プロに必要とされるレベルを満たしていなかった』として1回戦の賞金全額分に当たる4万5000ポンド(5万6500ドル相当)の罰金を科せられた。
2011年に8強入りした実績を持つトミックは火曜日、58分しかかからなかった1回戦でジョーウィルフリード・ツォンガ(フランス)に2-6 1-6 4-6で敗れていた。
「ジョーウィルフリード・ツォンガ に対する1回戦でのバーナード・トミックのパフォーマンスは、必要とされるプロの水準を満たしていなかったというのが主審の意見である」とオールイングランド・クラブは声明文の中で述べた。
トミックはこの決断に対し、上訴することができる。
この敗戦のあと、トミックはつぎ込んだ努力に満足しているかと聞かれ、「次の質問に移ってくれ」とはぐらかした。
彼はまた、2017年ウインブルドンで試合に負けたあとの記者会見で、「コートでちょっと退屈していた」と言ったことから1万5000ドルの罰金を受けたことについても尋ねられ、そこでは答えを拒否した。
努力不足への罰金は、選手がケガをしているにも関わらず賞金目当てに大会を始めて1回戦の最中に棄権することなどを防止する目的で2018年に作られた「1回戦パフォーマンス・ルール」の導入によって現れた。
女子選手のアンナ・タチシュビリ(アメリカ)は、今年のフレンチ・オープンでマリア・サカーリ(ギリシャ)に0-6 1-6で敗れたあと、5万ドルの罰金を科せられた。この決断を不服として上訴したタティシュビリは、問題の試合で足首の故障のため2017年10月以来の試合をプレーしていた。
また、ミーシャ・ズベレフ(ドイツ)は2018年オーストラリアン・オープンで4万5000ドルの罰金を科せられた。彼はウイルス性疾患を理由に、チョン・ヒョン(韓国)に対する試合の第2セットで棄権していた。
2017年USオープン優勝者で2013年にウインブルドンでベスト8に食い込んだスローン・スティーブンス(アメリカ)は、プレーヤーがトライしているかを大会開催者が決めるのがフェアなことかに確信が持てないと言った。
「もし大会が自分たち自身で審判となり、彼らはこうすべきだなどと言うというなら…私は100%これに賛成だとは言えないわ」と木曜日に3回戦進出を決めた第9シードのスティーブンスは自身の見解を示した。
ニック・キリオス(オーストラリア)はのちに、トミックがこの大会でプレーして得た賞金の全額をはく奪するのは、「やや横暴」であるとコメントした。
「賞金の全額を罰金とすることには同意できない」とキリオスは2回戦で第3シードのラファエル・ナダル(スペイン)に敗れたあとに語った。
「彼は本戦ドローに入る権利を勝ち取った。彼は1年中プレーしているんだ。彼は明らかに、世界でもっとも威信ある大会に出場するに十分なだけ勝ってきている。彼の賞金の全額を奪うというのは、著しく常軌を逸していると思う」
大会前に棄権してラッキールーザーがドローに入ることを可能にした故障持ちの選手は、1回戦の賞金の半額を受け取ることができる。
ウインブルドンでの試合の準備に何か問題を抱えていたのかと聞かれたトミックは、「ノー」と答えた。
「ただ、ひどいプレーをしただけだ」(C)AP(テニスマガジン)
※写真は男子シングルス1回戦で敗れたバーナード・トミック(オーストラリア)
LONDON, ENGLAND - JULY 02: Bernard Tomic of Australia reacts in his Men's Singles first round match against Jo-Wilfred Tsonga of France during Day two of The Championships - Wimbledon 2019 at All England Lawn Tennis and Croquet Club on July 02, 2019 in London, England. (Photo by Clive Brunskill/Getty Images)
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