新世界1位バーティの急上昇----それは単なる“始まり”となり得る

「(当時の)彼女はただ、すべてに圧倒されていた。非常に若かったんだ。当時、彼女にかかっていた期待は大きく、そういったことにあまりうまく対処できていなかった。だから彼女がやった最良のことは、テニスから離れ、自分の人生において自分が何をやりたいと思っているか見てみるということだったんだ」

 バーティのコーチであるクレイグ・ティザーがこう言ったのは、彼女がフレンチ・オープンに優勝した日のことだ。

「テニスから離れ、それから戻って、彼女がここ3年にやってきたようなレベルでプレーできるというのは、かなり驚くべきことだ。そして彼女はその不在だった期間に成長しもした。その成長は続いている。それはいまだ進行中なんだ」

 コートの外で、バーティはメンタル面を助けるパフォーマンス・コーチのベン・クロウとのトレーニングを行っている。

「私はよりよい人間になった」とバーティは自分を評価した。

「それとともに、私はよりよいテニスプレーヤーにもなったの」

 コート上ではティザーが、上達と技のバラエティを求めるバーティ―の不断の探索を助けている。彼女のバックハンドスライス、強力なサービスとフォアハンド、すぐれたネットプレーはすべて、彼女にどのサーフェスでも誰に対してでも勝つチャンスを与える方程式の一部なのだ。

 バーティが今、プレー中に感じている自信は、彼女の現在の好調ぶりの大きな要因ともなっている。そして、それが続くことを疑うべき理由はどこにも見当たらない。

「ことがより容易になる訳ではない。グランドスラム大会に勝ったからといって、これから出ていくたびにすべての試合に勝つなどということにはならないのだから」とティザーは言った。

「そして彼女は、そのことを知っている」

 現時点でのバーティは、コートに出ていくたびにすべての試合に勝っている。もちろん、それが永遠に続くことはないが、彼女は自分の画期的出来事のリストに新たなものを加え続けるにふさわしい場所に位置しているように見える。

(APライター◎ハワード・フェンドリック/構成◎テニスマガジン)

※写真はアシュリー・バーティ(オーストラリア/右)とコーチのクレイグ・ティザー
24th June 2019, Devonshire Park, Eastbourne, England; Nature Valley International Tennis Tournament; Ashleigh Barty (AUS) with her coach and her WTA World Singles No 1 Trophy that she won at the weekend (photo by Hongbo Chen/Action Plus via Getty Images)

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