“かつてのように” ロラン・ギャロスでフェデラーとナダルが対決 [フレンチ・オープン]

「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/5月26日~6月9日/クレーコート)の男子シングルス準々決勝。

 ロジャー・フェデラー(スイス)はフレンチ・オープンに戻って、もしことが非常にうまく運べば最終的にラファエル・ナダル(スペイン)に行きつくだろうということを知っていた。

 そしてその通りになったのだ。そう古きよき昔のように。

 第3シードのフェデラーは75分の雨による中断のあと、この日2度目のブレ―クに成功し、友人であり同胞のスタン・ワウリンカ(スイス)に7-6(4) 4-6 7-6(5) 6-4で競り勝って、ロラン・ギャロスの準決勝に駒を進めた。フェデラーはこの試合で18度ブレークチャンスを手にしながら、なかなかそれをものにできずにいたが、試合後半にレベルを引き上げた。

 そしてこの次にやってくるのが、決勝行きの切符をかけての『フェデラー対ナダル』なのだ。

「(フェデラーとの試合は)常にビッグマッチだ」とナダルはいう。

 グランドスラム大会で20度優勝しているフェデラーと17度優勝しているナダルは、テニス界のふたりの巨人だ。

 ロラン・ギャロスで「11」のトロフィーを獲っているナダルは、フェデラーとの長年にわたるライバル関係において総じて23勝15敗、グランドスラム大会では9勝3敗、クレーコートでは13勝2敗、フレンチ・オープンでは5勝0敗と、よりよい成績を誇っている。

「僕の次の対戦相手は悪くない。彼はクレーコートでプレーできるよ。不運なことにね」とフェデラーはスザンヌ・ランラン・コートの観客たちに向かってジョークを言った。

 彼らは2011年以来、フレンチ・オープンで対戦していなかった。ここ最近の5対戦で勝っているフェデラーがこれ以前に最後にフレンチ・オープンに出場したのは2015年のことだった。彼はその年、準々決勝でワウリンカに負けている。2016年の彼は背中の故障のために出場を取り消し、2018年から2019年にはクレーコートシーズンを丸々スキップしていた。

「もしクレーコートで何かをやってのけようというなら、ある段階でラファを通り抜けることは不可避となる。なぜって彼はあれほどにも強く、いつもそこにいるだろうからね」とフェデラーはコメントした。

 37歳の彼は、1968年以降で最年長の準決勝進出者だ。

「もし僕が違う精神姿勢を持っていたなら――つまり彼を避けたいと考えていたなら――僕はクレーコートでプレーすべきではなかっただろう」

 フェデラーは2009年に一度だけフレンチ・オープンで優勝しているが、そのときにはナダルと対戦していなかった。その年のナダルは4回戦で、ロビン・ソダーリング(スウェーデン)に敗れていたのだ。それは、ナダルがロラン・ギャロスでの93戦の中で敗れたたった2つのケースのひとつだった。

  第7シードの錦織圭(日清食品)を6-1 6-1 6-3で下したナダルの準々決勝には、ドラマらしきものはほとんどなかった。これに先立つ2ラウンドで2つの5セットマッチを戦っていた錦織は、明らかに疲労していた。

「彼は、僕がやりたかったやり方でプレーさせてくれなかった」と錦織は振り返った。

「特にエネルギーが十分にないときには、彼についていくのは容易なことじゃない」

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